「さんこうあんにちじょう」は、HP「杉篁庵」(sankouan)の1頁です。
主にその日の庭の花の写真を掲載しています。
 
台風過

野分後残れる風の音も消ゆ 杉竹
台風一過湿る木の葉の掃き難く 杉竹
夜の明けて野分過ぎたる跡見れば添ひて倒るる女郎花かな 横雲
台風のあとの狭庭に女郎花倒れかかって討ち死にしている やゑ

 

台風が列島を走り抜け、開票速報と台風情報がうるさい一日になった。
「台風過」の類季語に「台風一過・野分跡・野分後・野分晴」がある。
同じ音でも「台風禍」は台風によってひき起こされた災害。

 

 吹き乱る風のけしきに女郎花しをれしぬべき心地こそすれ 玉鬘(源氏物語・野分)

 

 颱風過しづかに寝ねて死にちかき 橋本多佳子
 からつぽの空となりたる野分後 今橋眞理子
 台風のあとの日差しに疲れけり 高澤良一
 台風の通りし後はゴジラ道 田崎茂子

【2017.10.24 Tuesday 08:25】 author : 杉篁庵主人
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実南天

憂憤に大きく揺れて実南天 杉竹
疼く歯に南天の実の色増せる 杉竹
色づきし南天の実に寄す想ひ雫となりて光落とせり 横雲
行く末が案じられると南天の実を折る指に祈りを込める やゑ

 

「実南天」は、花の後、丸い小さな実を、かたまって穂のようにつける。晩秋から冬のあいだ、紅く熟して美しい。「難を転ずる」に通じることから、鬼門や水周りに植えたり、縁起物として正月飾や祝い事に用いられる。季語としては冬とされるが、秋の季語としているところもある。
実は、「草の実」・「紫式部の実」や「梔子の実・水木の実・杉の実・ななかまどの実・櫨の実・楝の実」など木の実は秋だが、「実千両・万両」などは冬。「梅」などは夏。

 

私の行った土曜日の期日前投票所は二階までの階段をこえて列を作っていたが、結果は-----。
このブロクに政治的記事がなくなったのは、安倍のふるまいを見てあきれた5年前、これを許す世情が示された2012年12月の衆院選後である。無力感というか諦念というか、政治批判を書く気力がなくなっていた。
このところの安倍の不祥事が明らかになり、これへの批判票がもう少し出るかと思ったが、相変わらずで、比例の票にも批判が表れていないことに絶望的な思いを強くする。
「2012年12月の衆院選で、危惧は危惧のままに現実となって以来、「危ふき時代」は深まり続けている。」と書いたのはいつのことだったか。あの日10年が失われると感じていたが、今回の衆院選の結果を見て、これで日本は20年は死んでしまうと思える。現憲法の目指す「恒久の平和を念願し、---国際社会において、名誉ある地位を占める日本」を見ることはもう私にはできないのだろうか。

 

 南天や秋をかまゆる小倉山 宝井其角
 こころして雨滴を抱きぬ実南天 加藤哲也
 南天の実に惨たりし日を憶ふ 沢木欣一
 南天の実に錯乱の風の彩 丸山嵐人

 

【2017.10.23 Monday 06:06】 author : 杉篁庵主人
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熟れ柿

つつかれて崩れてたるる熟柿かな 杉竹
握らずも熟れたる柿の手に崩る 杉竹
捥ぎ取るや手に柔らかき熟れ柿の崩れむとして甘き香零す 横雲
口づけをしてるつもりで熟み柿を吸って卑猥な音に驚く やゑ

 

熟れ柿は、木の上で熟しすぎて果肉がゼリー状になり内部が透きとおるようになったカキの実。熟柿(じゅくし)。熟し柿。熟み柿。晩秋の季語。
冬の空に、葉が散った後、柿の木が霜で赤らんだたくさんの実を木いっぱいにたわわにつけている姿がまるで真夏に打ち上げられた花火のように見える様を言う季語に「柿花火」がある。今頃から見られはするが、これは冬の季語である。

 

 熟れ柿を剥くたよりなき刃先かな 草間時彦
 てのひらにうけて全き熟柿かな 木下夕爾
 いちまいの皮の包める熟柿かな 野見山朱鳥
 たつぷりと闇を吸ひたる熟柿かな 山下知津子

【2017.10.22 Sunday 08:29】 author : 杉篁庵主人
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秋霖

老いて知る秋霖の声哀しきを 杉竹
秋霖や若き日の君語りけり 杉竹
秋霖や目覚めし夜半に一人聴く蕭蕭としてその声悲し 横雲
思い出が哀しく秋の長雨に濡れているのを眺めるばかり やゑ

 

秋霖は、じとじと降り続く「秋の長雨」の別名。 秋雨よりも寂しい語感を含む。
漢詩を作りたくなる季語ではある。

 

  秋霖   横雲
寂寂秋霖日暮時  寂寂たる秋霖に日暮るる時
蕭蕭風渡漸老知  蕭蕭たる風渡り漸やく老い知りぬ
賊姦亂世俄蔓延  賊姦は世を乱して俄かに蔓延す  
如何泥徑遊子悲  如何せん泥径に遊子悲しめるを

 

 

 秋霖に打たれながらも沖かもめ 高澤良一
 秋霖に濡れて文字なき手紙かな 折笠美秋
 秋霖や遺稿写せば恋に似る 上野さち子

【2017.10.21 Saturday 10:21】 author : 杉篁庵主人
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火恋し

火恋し足を揉みつつ雨を聞く 杉竹
盆栽の手入れする影火の恋し 杉竹
むせびつもくゆる思ひをいかにせむ秋深まるや火の恋しかる 横雲
痛いほど冷えて心が萎れてる深まる秋は火が恋しくて やゑ

 

10月半ばになるとうすら寒さを感じ、朝晩は火が恋しくなる。「火恋し」は、火鉢を出すこと、炉をひらくことを気にかけるようになること。「炭火恋し・炉火恋し・火鉢恋し・炬燵恋し」が類季語。

 

 葛飾の水の暮れたる火の恋し 名和未知
 火恋し雨の宿りも宇多の奥 上田五千石
 放課後のオルガン鳴りて火の恋し 中村草田男

【2017.10.20 Friday 06:08】 author : 杉篁庵主人
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秋麗(あきうらら)

秋麗や図書館の椅子空きのなく 杉竹
マンションにずらり布団の秋うらら 杉竹
秋うらら高嶺に雲の流れゆき思ひは晴れず鵙のひとこゑ 横雲
秋うららフレアスカート翻しあなたは誰を追いかけている やゑ

 

昨日は久し振りの晴。一日だけの好天だった。
秋麗は、秋のよく晴れた日の麗らかさ。麗らかといえば春であるが、秋晴れに春の麗らかさを感じ取った語。「しゅうれい」とも読む。


写真は菫の種。秋の菫は花は咲かせず蕾を次々と作り、種を実らせ、割れて中の種子を周囲にはじき飛ばす。

 

 秋麗の極みに蜘蛛の遊び糸 高田秋仁
 ひよめきに触るる絆や秋麗ら 吉田三千子
 ほほづき赤き放屁虫青き秋うらら 山口青邨
 秋うららガイドの私語の土地訛り 篠田悦子

 

【2017.10.19 Thursday 10:57】 author : 杉篁庵主人
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潦(にわたずみ)

足惑ふひやひや朝の潦 杉竹
秋深く女飛び越す潦 杉竹
ひとひとひ雨やまずしてにはたづみあはやはかなく行くかたしれぬ 横雲
浮かばない影を偲んで潦ぼんやり眺めて雨の日過ごす やゑ

 

「潦」は、雨が降ったりして地上にたまった水。または、あふれ流れる水。水たまりのこと。季語ではないが、長雨の季節を思わせる。四季にわたって使われているが、句例はどちらかというと春の句が多いようだ。
杜鵑草(ほととぎす)も雨で重たげ。

 

 秋雨にすぐ潦八重の墓 深見けん二
 秋冷や万象の一潦 西本一都
 日の匂ひ甘し落葉の潦 加古宗也
 潦それみよと云ふ寒さかな 高澤良一

 

【2017.10.18 Wednesday 05:33】 author : 杉篁庵主人
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雨冷(あまびえ)

雨冷えや祭終わりし街の朝 杉竹
雨冷えの待合室にひとひとり 杉竹
ひとりおきこふる秋の夜ひやひやと我が身時雨るといひてふるかな 横雲
ひやひやと雨冷えがする早朝に祭のあとの片付けの音 やゑ

 

「雨冷」は、「冷ゆ、ひやひや、ひえびえ、下冷え、秋冷、朝冷」「秋冷」とともに「冷やか」という古くからある季語の傍題の一つとされる。
秋の雨降る日は、肌に触れる物や空気をひんやりと感じることがある。この皮膚の感触が「冷やか」。
冬の季語の「寒し」は体全体に感じるものをいう。「冷たし」とか「底冷え」というのも冬の季語。
ただ「雨冷」の句例をみると「秋」の季語として定着はいまだしのようでもある。「梅雨寒」の類季語の「梅雨冷」と同様の使われかたをしていたりする。

 

祭の終えた後、さらに冷え込んで一日中雨。藤袴が雨の重さに傾いている。

 

 秋雨や蕎麦をゆでたる湯の匂 夏目漱石
 雨冷えの白花をつづり茜草 高槻弘文
 夜寒人雨冷えを来て湯に沈む 高澤良一

【2017.10.17 Tuesday 08:32】 author : 杉篁庵主人
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秋祭

秋祭あやにくの雨明け烏 杉竹
朝冷えに高きお囃子雨しどと 杉竹
小やみなき雨の五ヶ町秋祭何染めゆくや色の無き風 横雲
闇の中秋の祭のふれ太鼓眠った街をゆっくり通る やゑ

 

この土日は街の秋祭だった。お神輿の渡御は三年毎なのだが今年はそれに当たるが、あいにくの雨。
いよいよ神輿渡御が終わるかという夜のとばりの降りる頃になって雨が止んだ。

 

三年前の様子がブログに残っていた。こちら。
 

「祭」は「夏」の季語。「神輿・祭笛・祭太鼓・祭提灯・宵宮」など多くが夏祭の傍題となる。「村祭・里祭・在祭・浦祭」これは「秋祭」の傍題であり、秋の季語。

 

 ふりむけば夫も来てをり秋祭 鶴間恵子
 神主も出店をのぞく秋祭 滝川いわ子
 浦安のもどりの道の秋祭 星野立子

【2017.10.16 Monday 07:01】 author : 杉篁庵主人
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文化祭

売店の賑はふ雨の文化祭 杉竹
閑古鳥なきても句会文化祭 杉竹
おしむべし雨降る街の文化祭暮れ行く秋の秋のかぎりを 横雲
文化祭途中で帰るバス通り小雨に秋が暮れてひやひや やゑ

 

この土日は街の文化祭である。ミニ句会と掲示での参加。

あいにくの雨である。

 (憂きわれをさびしがらせよ閑古鳥  松尾芭蕉)
「文化の日」は、明治天皇の誕生日の天長節が明治節になり、それが戦後は平和と文化を推進する文化の日と定められた。「文化祭」もその傍題とされている。

 

 暮れてなほ若き歓語や文化祭 水原秋桜子
 校長室に猫の来てをり文化祭 柴田シゲ子
 カレーの香ただよふ雨の文化祭 大島民郎

 

【2017.10.15 Sunday 07:15】 author : 杉篁庵主人
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