「さんこうあんにちじょう」は、HP「杉篁庵」(sankouan)の1頁です。
主にその日の庭の花の写真を掲載しています。
 
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夢残る夜明けの空に細き月


今朝は明けやらぬうちに目覚めてしまった。
「驚覺謝娘殘夢」の句が思い出された。
今は月の無い頃だが、黄葉を浮き上がらせる夜の明けようとするほのかな明るさが月明かりに似ていのだろうか。
東の空を見てみると月は夜明け前の木立の間にほっそりと光り、やがて明るくなるにつれて白んでいった。
月の時期も時刻も異なるが「驚覺謝娘殘夢」は次の詞の一節。


  酒泉子 其四 李洵
秋月嬋娟、
皎潔碧紗窗外、
照花穿竹冷沈沈、
印池心。
凝露滴、
砌蛩吟、
驚覺謝娘殘夢、
夜深斜傍枕前來、
影徘徊。

秋月嬋娟として、
碧(あを)き紗(うすぎぬ)窓の外に皎潔たり、
花を照らし竹を穿ち沈沈と冷えて、
池心に印す。
凝れる露の滴りて、
砌(みぎり)の蛩(こほろぎ)吟ずれば、
驚き覚めて謝娘の夢残る、
夜深く斜傍の枕前に来たりて、
影徘徊す。
・嬋娟(せんえん):容姿のあでやかで美しいさま。
・皎潔(こうけつ):白く清らかで汚れのないさま。
・沈沈:静まりかえっているさま。特に、夜がふけてひっそりとしているさま。
・砌:滴の落ちるきわ。水ぎわ。軒下や階下の石畳。 「時節」でもある。
・謝娘:詞では、若くて美しい女性を指す。才女・歌妓を指していう。
・傍:対になっているものの一方。かたほう。
これは先日あげた「酒泉子」と同じ詞牌とされているが、「酒泉子」は一詞牌に数多くの異体がある。




【2010.10.06 Wednesday 11:18】 author : 杉篁庵主人
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