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私らは視野狭窄に陥っているのではないか


「新しい流れを日本から生み出すことはできなかった!」
これが、このところの政治の動静を見ていて感じることである。
今のところ旧体制の巻き返しが執拗で、結局新自由主義と米隷属から逃れえず、その力に屈服させられたと捉えることができよう。

「トイレットペーパーの筒を両眼に当てて歩いてみろ。」とこれは以前生徒によく語ったことだった。それは、歩き辛いだけではない、これで車を運転したら危険この上ない。この喩えからも解るように、学ぶということは「視野を広げること、それは即ち状況認識力を豊かにすること」にあると説いていた。

ところで、現代の世相そのものはまさに「視野狭窄」に陥っていると感ずる。大きな流れが見えないまま、足元の小石につまずいてばかりいる。
今年の年頭に記した記事(2010.01.02「年始状裏返しては頷けり」)の一部を再掲してみる。

1月1日付の社説を見た。
「「ニッポン漂流」を回避しよう 今ある危機を乗り越えて」読売
「激動世界の中で―より大きな日米の物語を」朝日
「未来への責任 繁栄と平和と地球環境を子や孫にも」 日経 
「2010 再建の年 発信力で未来に希望を」毎日
それぞれ読んでみたが、「未来の視点からもう一度考えてみる発想が大切である。」(日経)とはいいながら、現在のしがらみから脱却した視点が各論説員には見られない。
読売をはじめとして視野狭窄に陥っているというしかない。旧態依然の立場からは変化そのものが見えないのだろうか。

世界的に見ればこの2010年は大きな転換点に年になる。
一昨年昨年と世界中が既存の資本主義システムの限界に直面した。それをどれだけ直視できるかが今問われていて、その解決への模索が具体的に始まっている。

経済学者のラビ・バトラは、「2010年に資本主義は崩壊する」と予測していた。「その後、プラウト主義が台頭するだろう」とも述べている。
世界規模で新たな経済システムを模索しはじめることになる。
金持ち(資本家)のための資本主義から働くもののための経済システムの模索は一部に権力集中してしまった共産主義社会主義とはまた違った「超資本主義」思想の経済システムとなろう。
プラウト主義によれば、人間の貪欲さ傲慢さが拡大して『搾取的資本主義』は崩壊する。自国産業保護や終身雇用などによる所得格差の少ない安定社会を目指し、オバマが奇跡のと評したかつての日本の「1億総中流社会」のような経済社会システムに世界は変容していこうとするだろう。だから「光は極東の日本から」というのだ。

ジャック・アタリは、人類は、21世紀、あるいは22世紀を迎えられないかも知れない、人は、高価なものを持っていることが重要なのではなく、他人を愛する心を持つことが大切だと語って、今後来る世界的動きを五つの波に整理し、
・アメリカ支配の崩壊
・多国型秩序
・超帝国=技術革新によるグローバルな統治
・超紛争=長続きはしない、避けることもできるはず
・超民主主義=利他主義に基ずくトランスヒューマン
とし、
貧困問題解決に向けてのマイクロファイナンスの必要性、人類は自殺行為をしかねないと言う危機感から、博愛団結の精神と、国家ではなく人類全体を考える政府を提唱していた。

卑近なところで言えば、小沢の次の言葉をどう聴き、どう判断するかが問われることにもなる。
「国民の皆さんには、自分たちが政権を変えたのだという自覚を持って欲しい。政治主導とは国民主導です。官僚任せ、お上任せの政治ではなく、自分たちが監視し、自分たちが政治を変える。そうした意識を持って欲しい。僕たちも政治主導がきちんと機能するように政治改革、国会改革をやっているのです。もし我々が国民の期待に応えられないようであれば、より良い政党を選べばいい。そういうシステムにするのが僕の長年の夢であり、ようやくその第一歩を踏み出した。日本の政治は間違いなく変わっていきます。」

それで今年は経済界の変革の前にまず国会改革が始まる年になるだろう。
その上で内需拡大型の経済政策にシフトすることになろう。
アメリカの国債を買わず、距離を置くことになる。安保がその際も議論になるが、これはひとえに経済の問題である。アメリカも同時に変容せざるを得ないのだ。


しかし、この視点から現状を見ると惨憺たるも状況になってしまったと嘆かざるをえない。小石に足をとられふらついている様は見るに耐えない。個々の政治状況について私が記さなくなった心理でもある。

【2010.10.12 Tuesday 13:33】 author : 杉篁庵主人
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