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都知事の「築地市場豊洲移転の決断」のサイン入り文章について

まず、「移転問題の経緯」を見てみる。
1991年(平成3年)「第五次東京都卸売市場整備計画」において、さまざまな議論の中から「現在地で営業をしながら再整備を図る」ことが関係者の間で確認される。
1996年(平成8年)4月の東京都卸売市場審議会答申においても再確認。
同年 東京都の財政悪化により工事中断。移転案浮上。この時点で、すでに300億円近い費用を工事に利用。この移転案に対する態度 は、東京都は「移転をすれば費用が抑えられるため、移転に賛成」、中央区 は「すでに工事も着工しているため、断固として移転反対」、市場内には「立体化後の配置をめぐる不満が一部から出ており、移転に賛成する者もいた」という。
1998年(平成10年)6月  業界6団体に対し東京都が 「移転の可能性を判断するためには、市場業界全体の一致した意思と場外市場関係者並びに関係区の協力が前提となる」と回答。
1999年(平成11年)9月 都知事(石原が知事になった年)、築地市場を視察「古い、狭い、そして危ない」と発言。
  同年11月 第28回築地市場再整備推進協議会は移転整備の方向で検討をまとめる。
2001年(平成13年)1月 東京ガス、自社用地の土壌調査の結果を公表。豊洲は基準値をはるかに超える汚染状況。
 同年2月 東京都と東京ガス間で、用地問題等の本格的協議に入る覚書を締結。
 同年 東京都が移転決定。豊洲の地権者である東京ガスとの間で、市場移転を織り込んだ豊洲のまちづくりを協力して進めることを正式に合意。
2002年(平成14年)に土壌汚染対策法ができたがそれ以前の調査法によるもので、現在の土壌汚染対策法の適用外になった。
2008年(平成20年)豊洲移転予定地から環境基準の4万3000倍となるベンゼンなどの土壌汚染が見つかり、都民に不安が広がった。

これを見れば解るように、石原が知事になって半ば強引に移転が決定されたとというのが「事実」である。その後もこの方針の下でことが進められている。
その方針とは、市場に関しては、「物流の大型資本化・大型量販店の誘致と中小仲卸の整理」である。築地の跡地利用の地上げと再開発で2兆円の利権がうまれるといわれ、そのもくろみは広く行き渡っている。現地再開発をしたらこの利ざやは生まれてこない。
豊洲新市場予定地は東京ガスの工場跡で、広さは築地の約23ヘクタールに対し約40ヘクタール。移転は外国資本が入るチャンスとなる。

次に、安全確認されたとばかりの喧伝を都はしているが、豊洲は「壮大な生体実験」という。
しかも豊洲新市場への移転では、利益を得る人がリスクの当事者ではない。
汚染除去実験で、環境基準の4万3000倍のベンゼンが検出された区画で実験した際の土壌の汚染濃度は基準の2.7倍に過ぎなかった。ヒ素についても、実験対象の土壌の汚染濃度が元々基準値以下だったケースが報告されている。
実験前の汚染濃度が極端に低いことから、実験の有効性が疑われ、これについてはまったくのだんまりを決め込んでいる。
つまりは、汚染されていない土を使って「汚染物質を無害化できることが実証された」と「安全宣言」をだしていると理解するしかない状態なのだ。

そこで、石原の文章を読むと、その誤りは明らかとなる。「嘘をつくな!」というしかない。
拝啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
日頃より、首都圏三千三百万人の食を支えるため、ご尽力されていることに深く敬意を表し、感謝いたします。
 さて、この度、私は東京都知事として、築地市場の豊洲移転を進めていくことを決断いたしました。
 築地市場の際整備が持ち上がったのは二十五年以上も前、鈴木都政の時代のことであります。当初の築地・現在地再整備が残念ながら頓挫した後、業界自ら苦い経験を糧にして、築地の街に深い愛着を持ちつつも、豊洲での新市場建設に活路を見出されました。都としても、共に協議を重ねて、平成二十六年度の開場を目指してまいりました。
 本年の第一回都議会定例会では、移転のための予算が認められた一方、議会として現在地再整備について検討したいとの意向が示されたことから、結論を待っておりました。
 議会の検討からは、現在地再整備の困難さが、改めて明らかとなりました。仮に全てが順調に進んでも十数年の月日がかかることがわかりました。
 現在地再整備が選択肢たり得ないことは明白ですが、議会は結論を先送りし、今後の見通しも示しておりません。
 ならば、知事としての責任で大きく歯車を回すしかありません。
 なにより、築地市場を取り巻く情勢が、先送りを許しません。
 開場から七十五年が経過し老朽化は窮まっております。観光客の賑わいとは裏腹に、今後求められる品質・衛生管理の水準に応えられず、産地・顧客ニーズへの対応もままなりません。
 新市場整備が先に延びるほど、厳しい経営環境が、一段と悪化するのは必至です。
 先般、業界団体から「議会の現在地再整備案では実際には二十年かかり、とても待てない。豊洲に新市場を開設して欲しい。」旨の切実なご要望を頂きました。
 市場の未来を見据え長い時間をかけて議論をまとめてきた業界の労苦に応えるためにも、先も見えぬまま待つ不安と焦燥に区切りを付けるべく、決断をいたしました。
 今後、豊洲移転に全力を傾けてまいります。
 移転予定地の土壌汚染対策については、我が国最高権威の学者の方々の英知もお借りして、日本の優れた先端技術を活用した汚染除去手法を編み出し、現地での実験も済ませております。安全・安心の確保は十分可能であり、万全を期してまいります。
 移転を具体的に進めていくにあたり、皆様がそれぞれに抱える課題・不安・心配は様々であります。これらの丁寧に耳を傾けながら、皆様と共に知恵を絞ってまいります。
 首都の行政を預かる知事として、現実に立脚し、複合的に発想して、今回の決断をいたしました。
 皆様のご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。
   平成二十二年 十月
     東京都知事 石原慎太郎
築地市場事業者の皆様



 

【2010.10.25 Monday 15:20】 author : 杉篁庵主人
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