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29年ぶりの常用漢字見直し




30日、現行の常用漢字表から5字を削除し196字を追加するなどした「改定常用漢字表」(2136字)が内閣告示された。

「一般での使用の目安」とされる常用漢字見直しは29年ぶりのこと。「常用漢字」は法令や公文書、新聞、雑誌、放送など一般社会で使用する漢字の目安となる。
1981年に現行1945字が内閣告示され、それまでの「当用漢字(1850字)」に代わって登場し、当時は字数増が歓迎され、一般での使用の目安として広く受け入れられた。

情報機器による「変換文化」が盛んになって漢字は一層身近になった。また「交ぜ書き」改善などが求められてもいた。それでの改定であった。

すべき改定ではあったが、むやみに増やしていけば言いというものでもなく、改定の影響を強く受ける教育現場での扱いがどうなされるのかもはっきりしない。表のないようにも疑問が残る。
難しい漢字が多く増えたのに、「高校で主なものが書ける」という目標はそのままで、入試での扱いも明確ではない。
「最低基準」を示すものであったほうがいいのではなかったか。

内容的なところで見てみると、
・「教科書や国語辞典をはじめ,一般の書籍でも当該字種の字体として広く用いられている。」ことをよりどころに字体を選んでいるが、〔例えば,上述の「漢字出現頻度数調査A」では,(頬:8 回,頰:6685 回)・(亀:6695 回,龜:  4 回)・(遡:2 回,遡: 753 回)・(餌: 3 回,餌: 1377 回)をあげて〕現状で字体を選ぶのではなくこれからどうあるべきかも含めた全体の整合性で見るべきであった。
また、「改定常用漢字表」の「目安」としての性格を考慮し、「・ 目安としての漢字表である限り,表外漢字との併用が前提となる。この点から表内の字体の整合を図る意味が,制限漢字表であった当用漢字表に比べて相対的に低下している。・ 今後,常用漢字が更に増えたとしても表外漢字との併用が前提となる。その表外漢字の字体は基本的に印刷標準字体であるので,表内に入れば,字体を変更するということが繰り返されると,社会における字体の安定性という面で大きな問題となる。」と言っているが、わざわざ「表」を策定し基準とするのである。表内の整合性を計ることのほうがずっと教育的で重要なことではないか。

いくつか具体的問題点を挙げる。
・「しんにゅう/しょくへん」にかかわる字のうち、「辶(二点しんにゅう)」とこれまでの一点しんにゅうの混在。「飠」の二系の字形。これらは括弧に入れて許容字体として併せ示されているが通用字体(新字体)がまずあげられるべきだろう。
「字体の許容」を適用するのは,具体的には「遜・遡・謎・餌・餅」の5字(いずれも括弧の中に許容字体が記される)である。
・表では、銭と践の間に箋がある。なんともおかしい。足と金や水は簡略体、竹は旧字、「賤」は表外だからそのままにしろという。経過を知らない限り分けのわからないなんとも混乱した表なのだ。箋は簡略体を標準にすべきであろう。一方、亀は一番簡素な簡略体ひとつにしているのだ。
・同じく、「賭と箸には点があり、著には点がない」という混乱(?)した表になっている。  

  
改定常用漢字表一覧(2010年11月30日告示)
改定常用漢字表のすべてのPDFファイル(A4サイズ、8ページ)の一覧(読売新聞)

【2010.11.30 Tuesday 12:00】 author : 杉篁庵主人
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