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TPP参加を熱望するのは日本?



「TPPに入ってアジアの成長を取り込む」との議論もある。しかし、環太平洋というのはただの名前に過ぎず、今進んでいるTPPはアジアの成長に対してはほとんど実効性がない。仮に日本をTPP交渉参加国に入れてGDPのシェアを見てみても、米国が7割、日本が2割強、豪州が5%で残りの7カ国が5%。これでは実質は日本にとって日米の自由貿易協定(FTA)である。アジアに対してはほとんど実効性を持たない。
個々の国で結ぶFTAなら直接それぞれの利害をぶつけられる。米国はそれを嫌い、また米国とその交渉をする力量が日本にないからと、十把一絡げにTPPに参加して規制や関税をなくそうというのは誤魔化しでしかない。

TPPは、米国が世界3位の経済国である日本を引き入れ、アジア太平洋地域の自由貿易区をつくり、APECを主導する足がかりとし、最終的に中国を含めアジア太平洋市場を作り出して、米国の輸出拡大と雇用増加の戦略目的を実現するためのものである。この中で日本の果たす役割は日本の国力を犠牲にして米国に貢献することでしかない。

菅は、「生活第一」から「米国第一」の政策転換の中で出てきたTPP参加を「開国」というわけの分からないキャッチフレーズで鼓舞しているが、オバマの教書では重んじられることもなかった。そこから、「日本のTPP参加を熱望しているのは米国側ではなく日本側らしい」という見方まで出ている。経団連は人材の移動自由化(安く外国人を使える)を求めているが、日本経済や国勢がそれで好転するわけではないのだ。
すると、ただ米国に擦り寄り、米国からの食品規制をはずしてアジアに輸入するためにTPP参加を進めているというのだろうか。

もっとも、日本が米国追随ではなく、対等に議論しその利益を主張しあう関係であれば、アジア太平洋地域の発展に貢献できるTPPにして米国を取り込むこともできよう。だがその理想論を今語っても現政権にはその姿勢も力もない。

 

【2011.01.30 Sunday 10:00】 author : 杉篁庵主人
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