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寒梅の詩


ふふむ梅に寒梅の詩を思い出し、人を偲ぶ心地になる。

唐の王維の「雜詩三首」のうちの第二首である。

  雜詩  王維
 君自故來、
 應知故事。
 來日綺窗前、
 寒梅著花未。

君故郷自(よ)り来たる、
応(まさ)に故郷の事を知るべし。
来たる日綺窗(きそう)の前、
寒梅は花を著(つ)けしや未だしや。

・綺窓:綾絹(あやぎぬ)を張った美しい(女性の部屋の)窓。 
 
あなたは私の故郷からやって来られた、
それなら故郷のことをきっとご存じだろう。
あなたが旅に出られる日、あの人のいる窓辺に、
寒梅はもう花をつけていただろうか。

「ここへやってくる時には、美しい飾りの彼の女の部屋の窓の前にある早咲きの梅は、花をつけていただだろうか。それともまだ」と、直接に女の状況を尋ねるのではなく、その部屋の前の梅のようすを尋ね、梅の気品と女への思いを詠う。なぜか好きな詩である。


次にあげるのはその三首目。
 已見寒梅發
 復聞啼鳥聲
 愁心視春草
 畏向階前生

已(すで)に寒梅の発(ひら)くを見、
復(ま)た啼鳥の声を聞く。
愁心 春草を視(み)て、
階前に向ひて生ぜんことを畏(おそ)る 。

はやすでに寒梅が開き咲くのを見、
そのうえ鳥のさえずりも聞こえてきました。
しかし、あなたに逢えぬまま心は愁うばかりで、萌え出た春の草をみて、
やがて逢えぬまま階(きざはし)まで生い茂るかと心配なのです。

なお第一首目は次の詩。

   雜詩
 家住孟津河、
 門對孟津口。
 常有江南船、
 寄書家中否。

家は孟津の河に住し、
門は孟津の口に対す。
常に江南の船有るも、
書を寄するや家中に否や。

住まいは孟津の渡しの河辺にあり、
門は孟津の船着場に向いています。
いつも江南からの船が来てはいますが、
あなたからの便りは私のもとへ来ないのでしょうか。

この「雑詩三首」は、孟津と江南、離れ離れに暮らす男女の思いを、一と三は女から男への、二は男から女への思いとしてを詠っているという。


 

【2011.01.31 Monday 13:52】 author : 杉篁庵主人
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