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「竹の公園」

簪花、己未(民国八年)星武爲薛涛写像

昨夜、旅のテレビ番組で唐代の女流詩人薛涛(せつとう)ゆかりの「望江楼公園」を紹介していました。
中国四川省の成都の錦江の西岸にあり、清代に薛涛をしのんで建てられた高さ30m余りの優美な4層の望江楼(崇麗閣)を中心に詩人にゆかりの詩吟楼、竹園などが配置されており、 薛涛箋を作っていた薛涛井や薛涛の像・墓・記念館があるということです。
竹は薛涛が好み、そのため公園は二百種に余る竹が集められて、「竹の公園」とも言われて、10センチほどの小さな竹からそびえる竹とその種は変化に富んでいるそうです。

その薛濤(薛涛)の詩。

「全唐詩」の卷803は薛濤の巻、77首録られています。
その第一首が竹を詠った詩です。

  「酬人雨後玩竹」薛濤
南天春雨時、那鑒雪霜姿。
眾類亦雲茂、虛心能自持。
多留晉賢醉、早伴舜妃悲。
晚歲君能賞、蒼蒼勁節奇。

  「人の雨後 竹を玩ずるに酬(むく)ゆ」 薛涛
南天春雨の時、那(な)んぞ雪霜の姿を鑒(かんがみ)ん。
衆類亦雲茂するに、虚心能く自ら持す。
多く晋賢の酔ひを留め、早に舜妃の悲しみに伴う。
晩歳君能く賞さん、蒼蒼勁節の奇なるを。

南の空から春雨(はるさめ)が落ちる暖かなときに、冬のはげしい雪や霜にたえている強い竹の姿は、とても想像できません。
たくさんの草木が盛んに繁っているときに、竹だけはなんの私心もなく、自分の生き方を守っているのです。
竹林は、晋の賢者たちが自らの世界に酔った思いを留め、また、舜帝の妃が帝の死に流した涙が湘水のほとりの竹の斑紋となったと語り伝えられる悲しみを思い出させます。
年の暮れになって、ほかの草木はみなしぼんでいますが、青々とした色を見せて雪霜のなかに力強く操を守って生きている、そんなくしき竹の姿をどうぞ讃えてくださいませんか。


その他の薛涛の竹の詩。

  《題竹郎廟》薛濤 卷803_40
竹郎廟前多古木、夕陽沉沉山更僉
何處江村有笛聲、聲聲儘是迎郎曲。 
 
 《十離詩。竹離亭》薛濤 卷803_68
蓊鬱新栽四五行、常將勁節負秋霜。
為緣春筍鑽牆破、不得垂陰覆玉堂。

【2011.05.22 Sunday 09:46】 author : 杉篁庵主人
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