「さんこうあんにちじょう」は、HP「杉篁庵」(sankouan)の1頁です。
主にその日の庭の花の写真を掲載しています。
 
<< 内部被曝リスク | main | 転換点 >>
白雲深處躍金龍

 
今朝初詣に行った近くの神社に飾ってあった神輿の柱飾りが昇り竜だった。

今年の干支は「辰」。
この龍の出てくる語句に「白雲深き処 金龍躍る」というのがある。

 漱石の漢詩にこんなのがある。

無心却是最神通、隻眼須知天地公。
日照蒼茫千古大、風吹碧落万秋雄。
生生流転誰呼夢、念念追求真似空。
欲破龍眠勿忽卒、白雲深処躍金龍。

無心 却って是 最も神に通じ、隻眼(せきがん)須(すべから)く天地の公を知るべし。
日は蒼茫を照らして千古の大、風は碧落を吹きて万秋の雄なり。
生生の流転 誰か夢と呼ばむ、念念の追求 真に空に似たり。
龍眠を破らむと欲して忽卒たるなかれ、白雲深き処 金竜躍る。

この「白雲深處躍金龍」は、碧巌録第二十四則の頌の評唱に引く風穴和尚の禅語だそうである。


さて、辰年にちなんで、竜の四字熟語を拾ってみると次のようなものもある。
「雲蒸竜変(うんじょうりょうへん)」: 〔雲が群がり起こるのに乗じて、蛇が竜となって昇天する意〕英雄豪傑が機会を得て立ち上がること。
「飛竜乗雲(ひりゅうじょううん)」: 英雄が時に乗じて、勢いを得ること。
「伏竜鳳雛(ふくりょうほうすう )」: 〔三国時代、司馬徽が蜀の諸葛孔明を伏竜にたとえ、龐士元(ほうしげん)を鳳凰の雛にたとえたことから〕まだ世に知られていない大人物と有能な若者のたとえ。臥竜鳳雛。
竜は中国ではめでたい動物として天子になぞらえ,インドでは仏法を守護するものと考えられたと辞書にあるが、これでみると竜は「英雄」の象徴なのだろう。
民主主義の下ではこの「英雄」とは「立ち上がる民」を言うのであろう。さて、時代を救う竜は現れるものなのか。


 「上皇西巡南京歌」 唐・李白
誰道君王行路難、六龍西幸萬人歡。
地轉錦江成渭水、天迴玉壘作長安。
 
 「上皇 南京(なんけい)に西巡するの歌」
誰か道(い)ふ 君王行路難しと、
六龍(りくりょう)西幸して万人歓ぶ。
地は転じて 錦江渭水(ゐすゐ)と成り、
天は廻りて 玉壘(ぎょくるゐ)長安と作(な)る。

一体、誰が言ったのだろうか、君主の旅路が困難なものであると。
六頭立ての馬車で(天子は)西方の(蜀へ)巡幸なさったが、あらゆる人々が歓び迎えた。
地が回って、成都を流れる錦江は、(長安を流れる)渭水となり。 
天運がめぐって、玉壘(南京を守る要害の山と関)がとこしえに安らかなところ(長安)となっている。

これは、安禄山の軍が洛陽を陥落させたため玄宗が西方(蜀)の南京である成都へ避難した時を詠った詩だが、今年はこれと同様な遷都も考えられよう。しかし福島第一原発の第2号炉と第4号炉がどうなっているか分からない中で国内に遷都できる安心な場所はあるものなのか。 


【2012.01.01 Sunday 10:55】 author : 杉篁庵主人
| 漢詩鑑賞 | comments(0) | - | - | - |
この記事に関するコメント
コメントする