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「核燃料サイクル」はなんのため?



この数年は米国債保有率一位だった中国が米国債保有を減らしている中、日本政府は、2011年3月から今年9月までに米国国債を1600億ドル、12兆円も買い増ししている。さらに大統領選後にはアメリカは国債を大量に供給し、誰かがそれを買うことになるが、中国が控えれば、日本にせびるしかない。
で、赤字国債を発行せざるを得ないのか。これでは日本国民は誰のために働いているのかわからない。


さて、「原発ゼロ」についての言動も矛盾だらけで収拾がつかない。「原発ゼロ」が口先だけのものだからだろう。これは「電力」の問題ではないのだ。電力なら「原発ゼロ」は即刻実現できるのだから。

読売新聞 2012年10月16日
前原国家戦略相、核燃料サイクル「継続する」
前原国家戦略相は15日、使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクルについて、「このまま継続する。青森県六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場の果たすべき役割は極めて大きい」と述べ、事業継続の必要性を強調した。
 国内の使用済み核燃料の取り扱いが宙に浮く事態を避けることで、核燃料サイクル見直しを懸念する青森県や米国などへの配慮を強くにじませた。
 視察先の青森県六ヶ所村で記者団に語った。
 2030年代に「原発稼働ゼロ」を目指すとした政府方針についても、「核燃料サイクルを継続する中で、ご協力いただいた方々との話し合いの中で、折り合いをしっかりと見つけていくことに尽きる」と語り、青森県などの意向を踏まえて判断する考えを示した。(2012年10月15日20時10分  読売新聞)

東京新聞 2012年10月10日 朝刊
「核燃料、95%リサイクル」 実際はわずか1% 原発環境整備機構
 高レベル放射性廃棄物の最終処分場の選定を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)が、二〇一〇年に全国規模でアンケートをした際、あたかも使用済み核燃料のほとんどが再利用でき、核のごみはわずかであるかのような説明をし、回答を求めていたことが分かった。実際に再利用できるのはわずか1%で99%はごみと化す可能性が大。誤った認識を広げる結果になっていた。 (清水祐樹、大村歩)
 アンケートは、最初の設問で「使用済み核燃料の95%がリサイクルできます。どうしてもリサイクルできない約5%が高レベル放射性廃棄物として残ることを知っていますか」と聞いた。
 アンケートには五万人を超える人が回答。一部は機構ホームページ(HP)に掲載されている。本紙が回答を分析したところ、およそ五十人に一人が「5%」に言及。「5%のごみをエネルギーに変える努力をして」(四十代男性)、「5%の部分も利用できれば最高」(五十代女性)といった楽観的な内容が多く、機構の「95%再利用」の説明を信じ込んでしまったようだ。
 しかし、この説明は現実と大きく異なる。再処理により再利用できるのは、95%どころかたったの1%。取り出されたプルトニウムに別のウランを混ぜて混合酸化物燃料(MOX燃料)に再生している。「95%」のほとんどを占める回収ウランは、建前上は資源とされるが、使うあてはなく、ごみと化す可能性が高い。
 さらに、核燃料は何度でも再利用できるわけではなく、現実には一回のみ。MOX燃料を燃やした後は、再処理すること自体が難しく、これもごみ化する可能性が高い。
 なぜ不正確なアンケートの設問をつくったのか、機構に問い合わせたが、「当時の経緯は分からないが、誤った情報を出すはずがない」(広報担当者)と繰り返すのみ。95%再利用の部分も「間違っていない」と繰り返すだけで、是正する考えはない。
<高レベル放射性廃棄物の最終処分場> 高レベル放射性廃棄物は原発の使用済み核燃料の再処理で発生する超高濃度の廃液で、ガラスで固めて300メートルより深い地中に埋め、濃度が下がるまで数万年単位で管理するのが国の方針だ。処分場の条件は近くに活断層や火山がない地域。実施団体として設立された原子力発電環境整備機構が2002年に候補地の公募を始めたが、応募は07年の高知県東洋町(後に撤回)のみで、選定のめどは立っていない。


毎日新聞 2012年10月15日 東京夕刊
特集ワイド:「原発ゼロ」戦略、どこへ/上 核燃料サイクルを温存、「虚構」に逃げる政府
 政府が「原発ゼロ」を目指すと決定したわずか半月後、Jパワー(電源開発)は大間原発(青森県)の建設再開に踏み切った。原発を減らすはずが、なぜ増える? キツネにつままれた思いの人も多いだろう。一方、次期衆院選で政権に返り咲くとの見方が強い自民党の原発政策は「原発ゼロ」とは、ほど遠い。「原発ゼロ」政策の矛盾や今後は? 2回にわたって探る。【戸田栄、江畑佳明】
 「原発政策は、普天間飛行場県外移転の断念、八ッ場ダム着工再開に続いて、国民に不可解な政策転換を印象づけた懸念を抱いています。私を含め党があれだけ苦労してまとめた2030年代に原発をゼロにするという目標をしっかり閣議決定しなかったからこうなってしまったのです」
 民主党原発事故収束対策プロジェクトチームの座長を務めた、荒井聡・元国家戦略担当相が憤る。荒井氏は、民主党北海道総支部連合会の代表でもある。大間原発と津軽海峡を隔てて接する道南地方では、函館市が建設差し止め訴訟を準備するなど怒りが渦巻いている。
 政府の新方針「革新的エネルギー・環境戦略」は▽新増設は認めない▽再稼働は、原子力規制委員会が安全確認をしたものに限る▽運転開始後40年で廃炉にする−−の3原則で、30年代をめどに原発をなくしていく考えだ。ところが発表からわずか5日後、戦略そのものの閣議決定は見送られ「不断の検証と見直しを行いながら遂行する」に後退した。また新設とは別だとして、3・11前に着工していた青森県の大間原発、東京電力東通1号機、中国電力島根3号機の建設継続を容認。Jパワーは1日、大間原発の建設再開を表明した。
 荒井氏は「いったん建設を認めているので、法的には中止させられないにしても、認可は3・11前の古い安全基準に基づくものです。せめて原子力規制委員会が作る新基準を待てと行政指導をするのが当然です」と指摘する。
 それにしても、原発建設には巨費を要する。大間の運転開始は最短で17年ごろになりそうだが、39年までなら約20年しか稼働できず、コストが引き合わない。この点について、Jパワーは「30年代はあくまで目標で決定されたものではないと考えています」と回答。さらに「戦略は核燃料サイクル政策を継続するとしています。そのためにプルサーマル発電(プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を軽水炉で使う発電)をフルにできる大間原発は欠かせないと考えています」と胸を張る。
 まるで、実は戦略が建設を後押ししてくれた、と言うかのような口ぶりだ。「原発ゼロ」戦略ではなかったのか?
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 「戦略は、原発ゼロと核燃料サイクル政策の併存という根本的な矛盾を内包しています」と、政府の総合資源エネルギー調査会基本問題委員会の委員でもある植田和弘・京都大教授は批判する。
 核燃料サイクルは、原発の使用済み核燃料に含まれるプルトニウムやウランを取り出して再処理し、別の形での原子力発電を目指す。これには2通りがあり、高速増殖炉を使う方法は、福井県の高速増殖原型炉「もんじゅ」が95年の運転開始以来トラブル続きでろくに稼働していないことが示すように実現性に乏しく、戦略は開発に見切りをつけた。このため、もう一つの方法であるプルサーマル発電を行う大間原発の意義が増したと、Jパワーは考えたのかもしれない。だが、こちらも青森県に建設中の使用済み核燃料再処理工場は97年の完成予定が19回も延期されるなど、多くの問題を抱えている。
 植田教授は「核燃料サイクル政策に展望はなく、民主党も当初は放棄を考えていました。しかし、使用済み核燃料の処理の問題から温存してしまったのです」と解説する。
 もう少し詳しく説明すると、民主党は二つのポーズを崩せなかった。日本は核兵器の材料となるプルトニウムを約207トン(うち再処理済みは約45トン)保有している。核燃料サイクルで使って減らすというポーズを保たなければ「核武装のための保有では」と疑われる。また国内に約1万6869トンもたまった使用済み核燃料の処理の観点からも旗を降ろせなかった。降ろせば、原発立地地域で危険な使用済み核燃料をずっと保管しなくてはならないうえ、青森県が再処理工場稼働を前提に受け入れた約2834トンの使用済み核燃料の移管先を見つける必要がある。つまり、核のゴミ処理を解決できないために、展望のない核燃料サイクルを続けるという袋小路に自ら入り込んでいるのだ。
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 こうして核燃料サイクル政策を残したまま、原発ゼロ政策は組み上げられた。荒井氏は「原発ゼロという目標を掲げたのは、民主党であればこそ。だが、どうしようもない核燃料サイクルというフィクションを継続するのでは、原発問題の根本的解決は目指せません」と警鐘を鳴らす。
 植田教授も原発ゼロという目標設定には理解を示しつつ「核燃料サイクル政策から脱却できなかったため、戦略のリアリティーがなくなった。使用済み核燃料の問題への対処が難しいのはわかるが、これをあいまいにしたまま、運転するほど使用済み核燃料が増える原子力発電を続けるのはもう限界です」と指摘する。
 戦略は使用済み核燃料の総量規制などを提案し、具体化していく出発点にすべきだったという。「総量規制から原発の発電量にはおのずと制約が出る。この議論が始まって初めて、原発推進側が目を背けてきた核燃料廃棄物の問題が真剣に検討される。その方が原発ゼロの目標を掲げるだけより、よほど重要です」
 大阪府市は10日、福井県の関西電力大飯原発3、4号機の運転継続は原発ゼロ戦略と矛盾するとし、国に停止を申し入れた。元経済産業官僚で大阪府市統合本部の古賀茂明・特別顧問は「戦略では、原子力規制委の新安全基準作成後、基準を満たした原発を動かすのが大前提。電力確保の名目だけで再稼働させた大飯は止めるのが筋」と強調する。
 もっと根本的な批判がある。京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は、即座に全てを廃炉にすべきだと言う。「事故がどんな事態を招くのか。福島事故から学んだうえでの政策でしょう。危ないとわかっているのに動かすことが、そもそもおかしい」と憤る。
 原発ゼロを目指す「革新的エネルギー・環境戦略」は、多くの矛盾を露呈しつつある。戦略の再構築が必要だ。

【2012.10.16 Tuesday 15:13】 author : 杉篁庵主人
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