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主にその日の庭の花の写真を掲載しています。
 
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春堤

春堤の鳥啼く昼を惜しみけり 杉竹
登り来し春の堤に香り満つ 杉竹
萌えいづる草摘みゆける春堤茂みをわけてつがい鳥鳴く 横雲
逢えないで彷徨っている春の土手どっちにしよう川が分かれる やゑ

 

「春堤(はるづつみ・しゅんてい)」「春の堤」「春の土手」「春塘」
これらは、うららかな春風・春の光をうけて長々と続いた堤をいう。明るい春日が降り注ぎ、草花が萌える堤は、春の風景の一つとして郷愁を誘う。

 

先日も触れた朱熹「偶成詩」の一節、「池塘春草の夢」は、青春のはかない夢をいい、少年時代の夢多き楽しみなどのはかないことのたとえとして詠われていた。池の堤に生えた春の草の上でまどろんでみた夢の意であった。


堤でつがいの水鳥を眺めながら詞を想う。

 

 醉花間 毛文錫(唐末五代)
休相問、怕相問、
相問還添恨。
春水滿塘生、鸂鶒還相趁。
昨夜雨霏霏、臨明寒一陣。
偏憶戍樓人、久絕邊庭信。

 

相ひ問ふを休(や)めむ、相ひ問ふを怕(おそ)る、
相ひ問はば還(ま)た恨みを添えむ。
春水滿塘に生じ、鸂鶒(けいせき)還た相ひ趁(お)ふ。
昨夜雨霏霏(ひひ)として、明(あけ)に臨みて寒さ一陣。
偏(ひと)へに憶(おも)ふ戍樓(じゅうろう)の人、久しく辺庭の信の絶てり。

 

尋ねるのはやめましょう、尋ねるのが怖いから、そして、尋ねれば、また、恨みは増すばかりでしょう。
ゆきどけの春の水が瓩掘堤にはびっしりと春草が生えて、見れば鸂鶒のオスがことしもまた、メスを追いかけています。
昨夜はひとしきり雨の降る音がしていましたが、明け方の急な冷え込みがひとしお身に沁みます。
瞭望台(国境防備の歩哨所)にいる人をひたすら思い慕いますが、もうながいこと辺境のあなたからの便りは途絶えたままです。

【2017.03.11 Saturday 07:29】 author : 杉篁庵主人
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