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君が代不起立処分

↑3/30の桃。
この桃の花も満開を過ぎ今日ははや散り始めている。
庭には今日の強い風で飛ばされた桜の花びらも舞い落ちている。



都立校教師の処分で懲戒免職処分はなかったが、不起立での処分は今年もなされた。
東京地裁が先月7日、不起立を理由に再雇用しなかったのは裁量権の乱用だとして、都に2700万円の賠償を命じる判決を言い渡したのに、戒告の2人の定年後の再雇用や非常勤の合格も取り消した。
行政がこんな政治的判断をしていいのか。
脅して随わせ、次は口をあけているかチェックするのだろうか。
毎日新聞の記事はこの経緯を好くまとめている。
これは確かに「日本社会のありようが問われている」問題で、湯谷記者の感じた「異様な力」を分析批判するのがメデアの責務であろう。


「プリンスホテルの教研集会拒否」「学習指導要領の異例の修正」、今日の報道にある「「靖国」の上映中止」とこの「異様な力」が浸透し、これへの批判が大きくならない状況をどう変えられるだろう。



以下、「処分」に関する記事と「映画「靖国」上映中止」の記事を転載。


毎日新聞
記者の目:君が代 不起立で処分される教師=湯谷茂樹
 卒業式で「君が代」が斉唱される約1分間の不起立を理由に今春、一人の東京都立校教師が学校から追われようとしている。卒業・入学式で国旗掲揚・国歌斉唱を実施するようにとの指導が強まり、反対してきた教師が次々に起立・斉唱に転ずるなか、この教師は、自らの良心に従って不起立を貫いてきた。その姿は、周囲をうかがい迎合するのではなく、勇気を持って行動することの大切さを教えているようにも見える。この静かな不服従に東京都教育委員会が免職や停職処分で臨むことは、はたして適切な教育行政なのだろうか。
 教師の名は根津公子さん(57)。都内の公立中で家庭科を教え、平和教育にも取り組んできた。昨春から都立南大沢学園養護学校で勤務している。
 根津さんは不起立の理由を「『自分の頭で考えて、おかしいと思ったら、やらない。正しいと思うことだったら、一人でも行動すべきだ』と生徒たちに語ってきた自分の教育に反してしまうから」と説明する。
 根津さんの不起立に対する都教委の処分は、05年3月の卒業式で減給10分の1.6カ月▽同年4月の入学式で停職1カ月▽06年3月の卒業式で停職3カ月▽07年3月の卒業式で停職6カ月−−と加重されてきた。停職6カ月より重い処分は免職しかないため、24日の卒業式でも起立しなかった根津さんへの免職処分が懸念されているのだ。
 卒業・入学式での日の丸掲揚や君が代斉唱は、99年の「国旗・国歌法」成立以降、文部科学省の強い指導もあって、全国的に実施されるようになった。それでも反対はあり、文科省によると06年度に不起立やピアノ伴奏の拒否など国旗・国歌を巡り処分された教職員は全国で98人にのぼる。しかし、教育現場からの排除を意味する停職処分を出しているのは東京都だけだ。国旗・国歌法成立時の官房長官だった野中広務・元自民党幹事長も「東京の処分は間違い。私は答弁で、人の内心まで入ってはいけないと言った」と批判する。
 不起立は、根津さん個人の思いに基づく行動だ。
 日本教職員組合(日教組)は94年まで「君が代は、歴史的役割、歌詞が国民主権の憲法に違反しているので反対。日の丸は、国の標識としてあることは事実だが、学習指導要領によって学校に強制することには反対」との運動方針を掲げてきた。しかし、村山政権発足を機に、95年に文部省(当時)との関係を協調路線に転換、反対方針をおろしている。根津さんの加盟する日教組傘下の東京教組は、反対方針は変えていないものの、反対行動の提起はしておらず、処分に伴う経済的損失までは「支援できない」という姿勢だ。
 こうした中、都教委は03年10月23日付で「教職員は、国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する」ことや対面式の会場を認めないなど、卒業・入学式の国旗掲揚や国歌斉唱方法などを細かく定め、その実施を命じる校長の職務命令に従わない場合、服務上の責任に問われることを明記した「10・23通達」を出した。対象は都立校だが、都内の市・区教委などへの影響は少なくない。それまで反対していた教員も起立・斉唱することが多くなった。不起立を貫く教員は目立ち、さらに締め付けは強まった。不服従のシンボル的存在になった根津さんは今年2月、日の丸・君が代強制に反対する意味の文言が書かれたトレーナー着用を巡り、脱ぐようにとの職務命令に違反したとして都教委から事情聴取された。命令を出した養護学校長に、他の教師が着ていたら同様の命令を出すのかと聞くと、返事は「答えられない」だった。
 君が代不起立は、授業をしないとか、生徒を傷つける言動を繰り返すといった事案とは異なる。処分を巡る司法判断は分かれるが、「10・23通達」を違憲とした06年9月の東京地裁判決が「皇国思想や軍国主義の精神的支柱として用いられ、現在も宗教的、政治的に価値中立的なものと認められるまでには至っていない」と君が代について指摘したように重い歴史のある問題だ。
 大阪府内のある学校の卒業式で、「強制反対」と声を上げた教師が威力業務妨害で告発される「事件」を取材したことがある。立件されることはなかったものの、異様な力を感じた。
 私たちは、多くの命が奪われたアジア・太平洋戦争から、「お国」も間違うことを学んだ。国旗・国歌はそれぞれ歴史を持つ「お国」の象徴だ。国民それぞれに思いがあるのは自然だ。
 「良心に基づく不服従」への処分は、東京都だけの問題ではない。日本社会のありようが問われている。(大阪編集局) 2008年3月26日 0時05分



報道記事の比較


毎日新聞
君が代:卒業式不起立の教員20人処分 都教委 
 東京都教育委員会は31日、今春の卒業式で「君が代」斉唱時に起立しなかったなどとして、都立高校など公立学校の教員20人(昨春比15人減)を懲戒処分にした。国旗・国歌の指導徹底通達(03年10月)以降、懲戒処分を受けた教職員数は延べ408人となった。
 最も重い停職6カ月は都立南大沢学園養護学校の根津公子教諭(57)ら2人。ほかは減給(10分の1)6カ月2人▽減給(同)1カ月7人▽戒告9人。戒告のうち2人は、それぞれ定年後の再雇用や非常勤の合格が取り消された。 2008年3月31日 21時50分



朝日新聞
君が代不起立、20人を処分 都教委
2008年04月01日03時00分
 今春の卒業式で「君が代」を起立して斉唱しなかったとして、東京都教育委員会は31日、教員20人を懲戒処分したと発表した。
 10回目の処分となる教諭ら2人が停職6カ月となった。都教委は「再三の指導、処分にも反省がみられない」としている。今回が3回目の処分となる2人を減給10分の1(6カ月)、2回目の7人を同(1カ月)、初めての9人を戒告とした。処分者は昨春より15人減った。また戒告を受けた教員のうち、退職後の再雇用や非常勤教員選考に合格していた2人の合格を取り消した。
 都教委に処分を受けた教員でつくる「被処分者の会」は「都教委の強制は違憲との判決もあり、不当な処分だ」と話している。



読売新聞
国旗・国歌で教員20人処分。都教委。昨年より4割減(東京)
 卒業式で国旗に向かって起立し、国歌を斉唱することを拒んだなどとして、都教委は31日までに、都立高など計18校の教員20人に対し、停職などの懲戒処分を行った。
 都教委によると、35人が処分を受けた昨年から15人減。内訳は停職6か月2人、減給10分の1(6か月)2人、同(1か月)7人、戒告9人。学校別では、都立高13校15人、都立養護学校3校3人、区立小1人、市立小1人。
 20人のうち18人は国歌斉唱の際、国旗に向かって起立せず、校長から命じられたにもかかわらず従わなかった。ほか2人は式典会場から立ち去った。
 停職6か月のうち1人は、国家斉唱時に起立しなかったことに加え、勤務中に「強制反対 日の丸 君が代」とプリントされたトレーナーを着用し続けた。戒告の9人のうち2人は、新年度から嘱託職員と非常勤職員として再雇用が内定していたが、取り消された。 (2008年4月1日 読売新聞)



「靖国」の上映中止の報道


日刊スポーツ - 2008年3月29日
「靖国」めぐり映画関係者に広がる危機感
 靖国神社を題材にしたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」(李纓監督)をめぐり、異例の国会議員向け試写会が開かれたり、一部映画館が上映を中止したりしたことに対し、映画関係者の間に「表現の自由が侵されかねない」との危機感が広まっている。映画演劇労働組合連合会(映演労連)は文化庁などに質問状を送付、日本映画監督協会も近く声明を出す。
 映演労連は「試写会は文化庁が与党議員の圧力に押されて開催され、表現の自由が侵されかねない重大問題だ」として、経過や今後の対応の説明を求める質問状を文化庁に送付。試写を求めた自民党の稲田朋美衆院議員にも「政治介入に強く抗議する」との文書を送付した。
 これに対し、文化庁は「どういう形で対応するか検討している」としている。
 李監督が所属する日本映画監督協会も近く、表現の自由を守る立場から声明を出す。同協会は「危険な企画はやめておこうという自主規制が働くことが心配だ」と話す。
 映画は、終戦記念日の靖国神社の情景や、軍刀「靖国刀」を作る刀匠の思いを日本在住の中国人李監督が描いた。今年の香港国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞し、李監督は「順調に公開できることを願っている」とコメントした。
 [2008年3月29日19時47分]



毎日新聞
映画:中国人監督が取材、「靖国」上映中止 「抗議で近隣迷惑」5映画館自粛
 靖国神社を描いたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」をめぐり、4月12日からの上映を決めていた映画館5館が31日までに上映中止を決めた。相次ぐ自粛で、当面、公開のめどが立たなくなった。
 中国人のリ・イン監督が、10年間にわたり、終戦記念日の靖国神社などを取材した映画で、軍服姿で参列する人や、台湾や韓国の遺族が抗議する姿も描いている。今年の香港国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した。
 映画は文化庁が管轄する「日本芸術文化振興会」から約750万円の助成を受けていた。週刊誌に「反日的内容」との記事が掲載され、自民党議員の一部から助成の妥当性を疑問視する声が上がり、全国会議員を対象とした異例の試写会も開かれた。
 3月18日に東京・新宿のバトル9が上映取りやめを決定。その後、銀座シネパトス、渋谷Q−AXシネマ、シネマート六本木、シネマート心斎橋も中止を決めた。銀座シネパトスを経営するヒューマックスシネマは「上映中止を求める電話がかかったり、周辺で抗議行動があった。近隣や他の観客に迷惑がかかるため、中止を決めた」としている。一方、Q−AXシネマの営業責任者は「具体的な抗議や嫌がらせはないが、不特定多数の人が集まる施設なので、万が一のことがあってはならない」と、上映見送りの理由を語った。
 映画を配給するアルゴ・ピクチャーズは「上映中止になったことに憤りを感じる。言論と表現の自由の危機。大阪市の別の映画館と名古屋市内の映画館が上映の意向を示しており、都内についても引き続き上映館を探していく」と話している。
 日本映画監督協会も、「表現の自由が侵されかねない」とする抗議声明を出した。
 ◇表現機会、保障を−−鈴木秀美・大阪大法科大学院教授(憲法)の話
 原則自由である映画館だからこそ、上映できる作品は少なくない。映像で社会に訴えて論争を巻き起こしたいという表現者たちにその機会を保障するのが映画館の本来の役割。映画館側が、近隣施設への迷惑や混乱が予想されるという抽象的な危険だけで、上映を中止するのでは、日本の映画界における表現の自由の幅を狭めると批判されてもやむを得ないのではないか。毎日新聞 2008年4月1日 東京朝刊



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【2008.04.01 Tuesday 10:26】 author : 杉篁庵主人
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