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入学金未納



読売新聞
千葉の県立高校、入学金未納の生徒2人を式に出席させず
 千葉県八千代市の県立八千代西高校(生徒339人、大迫太校長)が、入学金を持参しなかった男女の生徒2人を8日の入学式に出席させず、別室で待機させていたことがわかった。
 2人は同日中に全額または一部を納め、式終了後に校長室で入学許可を言い渡された。
 同校の須藤信夫教頭によると、学校側は3月上旬に新入生159人の保護者へ郵送した文書と同月中旬に開いた入学説明会で、入学式当日に入学料5650円と教材費などの入学金計9万円を持参するよう連絡。用意できない場合は分納も可能と説明した。しかし、2人は持参せず、学校側は滞納の可能性があると判断した。2人は保護者と相談し、男子生徒は昼過ぎに9万円全額、女子生徒は夕方に2万円を納入した。
 同校によると、男子生徒の保護者は入学説明会には出席したが、事前に分納などの相談はなかった。女子生徒の保護者は分納を申し入れ、入学式当日に2万円を支払うことで合意していたという。
 県教委によると、全県立高校で、入学式当日に入学料などを学校に直接納入することで入学手続きが完了する仕組みになっている。
 須藤教頭は「入学金を納めないと、県条例により入学させられず、式に出席させても入学者として名を読み上げられない。苦渋の判断だった」と説明。県教委指導課は「学校側の事前説明は十分で、やむを得ない措置だった」としている。
 一方、県内の高校教諭らでつくる教職員組合「教育フォーラムちば」は「非教育的な行為だ」として、就学援助制度確立などの要求書を堂本暁子・千葉県知事に提出した。(2008年4月14日14時21分 読売新聞)



多くの新聞がニュースにしているだけで論評が無いのがこのニュースの特徴である。

「それにしても四角四面のお役所的頭ではないか。1、2日ぐらい待てないのだろうか。学校は誰のための学校か。校長の腹で県条例は柔軟に対応できたはずである。官僚精神の見本のような話で日本の教育界に、いつから人間性希薄な、こんな干からびた現象がはびこり始めたのだろうか」(紀伊民報のコラムの要約)という疑義がニュースになった所以であろう。

体験的な見地からいうと、卒業を前に授業料滞納で卒業証書が渡せないと教員が家庭訪問し、保証人のところまで出掛け、それでも埒が明かず、最終的に卒業させたい担任が被っていたケースさえ知っている私としては、後の滞納を解消しようという労力を考えるとまずは納入を確保するための処置で、「規則だからそうした」というものではないと思う。しかし、この処置を決して妥当だとは言えない。
一つの解決策は、合格発表後、入学金を指定金融機関へ払い込む納入期日を入学式より数日前に設定しておくことではなかろうか。式当日に入学金などを教員が徴収する千葉県は異例という。
しかし、問題の根源はそんなところにあるのではない。
こうした滞納問題は昔からあったことだが、これを特別なケースとしてでなく抱え始めたのはいつごろからだったろう。萌芽は20年以前からあった。社会的にはこの10年前くらいから顕在化した。ここには貧困に起因するものと、保護者の不払いを是認する(払わなくったっていいだろう)意識によるものと見定め難く混在している。
これは社会が病んでいる証左でもある。私は高度成長期・バブル期を通して金儲け第一を目指した社会のありようの中で作られた事態のように思える。(具体的には人々の意識の学校や教師に対する軽視の増大が一つである)
現実として、給食費といい授業料といい未納問題は現場教師にとって解決指導に際して様々の配慮を必要とする問題である。援助制度を利用してもらおうとしても拒否する保護者もいて、また援助制度も充足したものでもない。
少なくともこうしたことは教員の負担にならないような体制を作ってもらいたいが、事務が「事務的」仕事として生徒の置かれている状況に配慮無く生徒を傷つけるケースもまた実態としてあるので解決の難しい問題となっているのである。

【2008.04.14 Monday 23:21】 author : 杉篁庵主人
| 教育・憲法 | comments(2) | - | - | - |
この記事に関するコメント
教員もたいへんですね…

給食費…、授業料未納にモンスターペアレンツ…そしていじめ
授業外業務の増大により生徒に向き合えなくなっている
上からは上記のアンケートやら調査が大量にくるわ

教員評価制度もいろいろ問題があって
いじめが起きてるのを報告したり相談すると評価に影響するから隠してしまう傾向がでて
学校全体で結束した対策がしづらくなったとか
| | 2008/04/16 2:07 PM |
現職の人からは良い時期に退職したとうらやましがられています。
夢のある楽しい職業だったはずの教員が楽しみや遣り甲斐以上のストレスで押し潰されている現状は異常なことに思われます。
克服はやはり仲間作りからでしょう。
| 庵主 | 2008/04/16 9:02 PM |
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