「さんこうあんにちじょう」は、HP「杉篁庵」(sankouan)の1頁です。
主にその日の庭の花の写真を掲載しています。
 
団栗(どんぐり)

どんぐりを踏みて椎の木あるを知る 杉竹
椎の実を摘まむ少女の指の紅 杉竹
色もなく心に暮るる秋なれや団栗拾ふ身に沁むる老い 横雲
ふけてゆく秋はことさら身に応え這うようにして木の実を拾う やゑ

 

どんぐりは、楢、樫、柏などのブナ科の落葉樹の実。狭義では櫟の実。拾ってきて独楽にしたり、人形を作ったりする。

 

 團栗や屋根をころげて手水鉢 正岡子規
 団栗の己が落葉に埋れけり 渡辺水巴
 どんぐりが一つ落ちたり一つの音 細見綾子
 どんぐりを机上に愛づる雨一日 高澤良一

 

「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」という句について、「公民館が、憲法9条について詠んだ俳句の月報掲載を拒否したのは、憲法が保障する表現の自由などの侵害に当たる」と訴えた訴訟に対し、さいたま地裁は昨日表現の自由の侵害には当たらないと判断し月報への掲載要請を棄却し、市には掲載しない理由について十分な検討を行っていないとして5万円の慰謝料の支払いを命じる判決をだした。お茶を濁した判決だった。

【2017.10.14 Saturday 07:23】 author : 杉篁庵主人
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秋闌(た)く

町内の祭支度や秋闌くる 杉竹
秋闌くや肩に陽を受け草むしる 杉竹
深み行く秋のうらみを重ぬるも欠けたる月は雲に隠れぬ 横雲
逢えなくてむなしく秋が深まって下弦の月も隠れたままだ やゑ

 

「秋闌(た)く」は「秋深き・秋寂ぶ・秋深む・深秋・秋闌ける・秋闌(あきたけなわ)・秋更(ふ)く」など「秋深し」の傍題に挙げられるものの一つ。
「あきたけて夜ふかき月の影見ればあれたる宿に衣うつなり(源実朝)」

 

 秋闌けて大樹の鼓動感じけり 高橋鋼乙
 烏骨鶏目つむりこぞり秋闌けぬ 中田剛
 禅寺の油土塀に秋闌けて 高澤良一

 

【2017.10.13 Friday 07:00】 author : 杉篁庵主人
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秋牡丹

月明の庭に溢るる秋牡丹 杉竹
秋牡丹娘の肩のつやつやと 杉竹
花びらを散らすや白き秋牡丹月待つほどに色のさびしき 横雲
散っている冥土の花に誘われて偲ぶ心が静かに揺れる やゑ

 

帰ってきたら秋明菊が咲き満ちていた。咲き始めたのは9月の中旬だった。別名、貴船菊とも呼ばれる。秋牡丹はその漢名。キクの仲間ではなくキンポウゲ科の多年草で中国が原産。
秋冥菊の表記もある。この表記の由来は、この世の花ではなくつまりあの世の冥界(冥土)の花で、菊のような花を秋に咲かせるからと「秋冥菊」とされたという。しかし、「冥」ではイメージが悪いから「明」に変えたという。

 

 片づけて秋明菊を挿しにけり 黒田杏子
 秋明菊ゆふべ黒髪おそろしき 鍵和田 秞子
 名を聞きてよりしみじみと貴船菊 片山由美子

【2017.10.12 Thursday 07:53】 author : 杉篁庵主人
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秋暑し

声高き祭支度や秋暑し 杉竹
大空に雲無くなりて秋暑し 杉竹
空晴れて峰のもみぢの色変はり秋の暑きをうらみかねつる 横雲
ネクタイを緩める男(ひと)がてらてらと秋暑の昼を闊歩していく やゑ

 

句会があるので北軽井沢から帰ってきたらこちらは異常な暑さ。秋闌(た)けての秋麗というより暑い。
「秋暑し・秋暑」は初秋の季語「残暑」の傍題であり、秋半ばを過ぎてからの季節外れの昨日の汗ばむような暑さを何といえばいいのかはわからない。
ただ、昨日の暑さを残暑とは言わないので、残暑と秋暑という季語の持つ印象は多少異なるように思われる。

 

 秋暑しあつしと句会こなしたる 坊城 中子
 秋暑し鹿の匂ひの石畳 木村蕪城
 隠微なる秋暑匂へり懺悔椅子 中尾杏子

【2017.10.11 Wednesday 06:55】 author : 杉篁庵主人
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体育の日

木漏れ日の体育の日や長寝椅子 杉竹
ねそべって運動会の音を聞く 杉竹
秋風にもみづるよりも言の葉の哀しきままに空に舞ひゆく 横雲
秋季大運動会の垂れ幕に哀しい想い隠されている やゑ

 

1964(昭和39)年の「夏季オリンピック」はこの日(10月10日)が開会式だった。夏季と冠しているが異例に遅いこの時期だからこそ秋たけなわの体育祭日和となったのだった。
運動会はもともと春の季語であった。それがオリンピック後に「秋季大運動会」とともに「体育祭・運動会」は秋の季語となった。
今では一般的には会社や学校の運動会は秋に行う事が多い。澄んだ空気の下、競技に励む姿を観るのは実に気持ちが良い。
いずれにしろ春か秋が運動会日和ではある。真夏にやろうという企画の異常さが語られない不思議。

 

 体育の日の山頂に彩筵 筏奈雅史
 秋晴の運動会をしてゐるよ 富安風生
 運動会午後へ白線引き直す 西村和子

【2017.10.10 Tuesday 06:44】 author : 杉篁庵主人
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紅葉狩り

水音のいよいよ高し紅葉狩   杉竹

懐かしき人を尋ねて紅葉狩   杉竹

恋しきをいはでの森の紅葉狩り恨むる色のまさるを知りぬ   横雲

誘われて紅葉狩りする北軽の雑木の森に君の影追う   やゑ

 

桜花を眺めて楽しむために「お花見」に行くが、それと同じように紅葉の美しい場所に出かけてゆくのが紅葉狩り。

北軽井沢では日に増して紅葉が進んでいて、この連休は紅葉狩りの時節となる。

ウルシが黄から朱に色を深め、雑木が黄色に染まり、落葉松の葉も色を変え始め、カエデ科の木々が紅葉し始めている。好天の一日、林を彷徨う。

 

   生きのびて西へ西へと紅葉狩   藤原月彦 

   紅葉狩橋のない川渡りけり   福岡 悟

   紅葉狩水底の影踏むように   有田莉多

【2017.10.09 Monday 08:20】 author : 杉篁庵主人
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居待月

晴れやらず真夜に待ちたり居待月 杉竹

しづもれる森を照らせり居待月 杉竹

見る人もなきまま過ぐや月明かく真夜の窓辺を無為に照らせり 横雲

紅葉する森を照らして真夜中の月がゆっくりめぐっていった やゑ

 

昨日の夕方に一時強く降った雨は上がったが、月は林に隠れていた。

真夜中になってやっと林の梢を抜けた月が外を明るく照らした。

 

   居待月芙蓉はすでに眠りけり 安住 敦

   居待月はなやぎもなく待ちにけり 石田波郷

   傘少し濡れて戻りぬ居待月 酒井みゆき

【2017.10.08 Sunday 06:15】 author : 杉篁庵主人
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秋寒し

秋寒し嘘を重ねる人群れて   杉竹

雨音の止まぬ夜あけて秋寒し   杉竹

雨音に秋の夜寒を恨みつつひとり寝覚めをかこつ老かな   横雲

秋寒く日々を重ねておはようを交わす人なく夜明けは遠い   やゑ

 

浅間の裾では朝の冷えが増し紅葉が進んでいる。一昨日の朝は外気温が3度ほどまで下がったようだ。室内でも起きた時は12度ほどだった。

昨日の午後から雨模様の天気になって、最低気温が8度程で今朝の外は10度を超えているようだ。しかし、夜を通して雨音を聞いて迎えた日差しのない朝は温度に比して寒く感じる。そぞろ寒しである。

 

世の中は闇を深くしいよいよ寒くなっていくようだが、今日この頃テレビの見られない山に籠っていられるというのは幸いなことかもしれない。

 

一人居の振り子の音や秋寒し   渡辺照子

秋冷のまなじりにあるみだれ髪   飯田蛇笏

【2017.10.07 Saturday 09:14】 author : 杉篁庵主人
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秋深む

さよならと手を振る影や秋深む 杉竹

秋深し客なき店に立ち止まる 杉竹

秋深み日を追ひ染まりゆく色の朱に黄色に身の沁むるかな 横雲

林では日ごとに染まる色に酔い深まる秋にただ身を浸す やゑ

 

秋が深まることをいう季語の「秋深し」の傍題の一つに「秋深む」がある。言語として「深める」と捉えるのは抵抗感のある表現であるが秋の深まる様子はよく感じられる。

 

 山の駅降りしは一人秋深む 内田園生

 秋深むひと日ひと日を飯炊いて 岡本

 手折り来しもの嫋々と秋深し 後藤夜半

【2017.10.06 Friday 07:38】 author : 杉篁庵主人
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良夜

落葉松を縫って昇りぬまろき月 杉竹

ながむれば並ぶ影濃き良夜かな 杉竹

頼みなる月待つほどをいかにせむ峰をわかるる浮雲の身は 横雲

落葉松の林を渡る風音が浅間の上へ 月を呼んでる やゑ

 

一昨日良夜を願って句を詠んだが、今日も引き続き名月の歌になる。

昨日の中秋の名月はよく晴れわたった空を悠々とめぐっていた。

 

なお、今年は、10月4日が中秋の名月、その翌々日の10月6日が月齢の満月と、中秋の名月と満月の日付が2日ずれている。

 

   月天心貧しき町を通りけり 蕪村

   生涯にかかる良夜の幾度か 福田蓼汀
   人それぞれ書を読んでゐる良夜かな 山口青邨

【2017.10.05 Thursday 05:46】 author : 杉篁庵主人
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