「さんこうあんにちじょう」は、HP「杉篁庵」(sankouan)の1頁です。
主にその日の庭の花の写真を掲載しています。
 
秋暑し見るや故郷の夢いかに


紹介する動画は、岩上安身の質問に答える元通産省地質調査所主任研究官・日本環境学会坂巻幸雄の動画です。
解りやすい長時間のインタビューです。

岩上安身のオフィシャルサイトはこちら

安全確認されたとばかりの喧伝を都はしているが、豊洲は「壮大な生体実験」という。
しかも豊洲新市場への移転では、利益を得る人がリスクの当事者ではない。
地上げ再開発で2兆円の利権がうまれ、現地再開発をしたら利ざやは生まれてこないから移転なのだろう。

このインタビューは中央区議会議員の小坂和輝につづいてのもの。この後、広島大学名誉教授の三國英實が続いていて、築地移転問題が多角的に語られている。
【2010.08.21 Saturday 09:19】 author : 杉篁庵主人
| 豊洲汚染問題 | comments(0) | - | - | - |
豊洲に安全宣言?!


一週間ネットも新聞も見ないで過ごしたが、帰ってくればやはり暑い。
さて、豊洲汚染問題、このところの動きがおかしい。
喉元過ぎれば熱さを忘れ、人の噂も75日ときめこんで、都は誤魔化しの無害化実験で「安全宣言」をしている様子である。
「東卸」の特定調停が成立という報道も内実が明らかにされない。とにかく築地移転反対は丸め込めというところから出たもののように思われる。
これにも民主大敗の影響があるのだろう。
以下毎日新聞を中心に関連記事の転載。


毎日新聞 2010年7月14日
東京魚市場卸協同組合:債務17億円を免除 特定調停が成立 /東京
 築地市場の約750の水産仲卸業者でつくる「東京魚市場卸協同組合(東卸)」は13日、約30億円あった債務の減額を金融機関に求めて東京地裁に申請した特定調停が成立したと発表した。資産や権利を整理して13億7000万円を一括弁済し、残る17億円の債務は免除された。調停成立は6月24日付。
 伊藤宏之・東卸理事長によると、99年当時、東卸には130億円超の借り入れがあった。組合費の大幅値上げや職員の削減など財政強化策を実行し、約100億円まで返済したが、近年、、組合員も減り、毎年の利子負担も重く、「出血を止めたい」と特定調停に踏み切った。


毎日新聞 2010年7月17日
築地市場移転:都議会民主党、「現地で改築」提案 晴海の都有地も利用 /東京
 都議会民主党は16日、築地市場(中央区)を今の場所で建て替える場合(現在地再整備)の3案を、都議会の築地移転・再整備特別委員会に提出した。いずれも中央区晴海の都有地を利用する。特別委はこれを受けて小委員会を設置。9月下旬に具体案としてまとめることを目指して民主案の検討に入った。都が進める江東区豊洲への移転計画とどちらが望ましいか、議論が続く。
 民主党の再整備案は、(1)晴海に一時仮移転して多層化した築地新市場を建設(2)晴海に他市場などへの水産物の積み替え品を扱う機能のみ移転し、築地新市場を建設(3)晴海に水産物の積み替え品と大口相対取引を扱う機能を移転して築地新市場を建設−−の3案。(2)と(3)の場合、晴海が築地市場の飛び地のようになる。
 2016年五輪のスタジアム予定地だった晴海の都有地を活用し、「狭くて建て替え困難」とされる築地の弱点を補う考えだ。都議会局調査部の担当チームが設計事務所へ調査委託するなどして実現性を検証し、議論を下支えする。
 民主案をまとめた増子博樹都議は「公募した案や専門家の意見、他市場の視察結果などすべて総合した。築地での再整備が技術的に可能であることを示し、市場の皆さんに議論してもらうのが一番いい」と語る。
 築地市場では、最大の事業者団体である水産仲卸業者の組合「東京魚市場卸協同組合」で、秋以降に総代や理事長を決める選挙が予定されている。組合では移転の賛否が二分されている現状。都の結論は、議会論議に加えて、組合の選挙結果もにらみながらとなりそうだ。【真野森作】


毎日新聞 2010年7月20日
築地市場:東京都、「汚染無害化」数値隠し 移転予定地
 東京・築地市場(中央区)の移転予定地となっている江東区豊洲の土壌汚染問題対策として、東京都が6月まで実施していた汚染除去実験で20日、環境基準の4万3000倍のベンゼンが検出された区画で実験した際の土壌の汚染濃度は、基準の2.7倍に過ぎなかったことが分かった。都は3月の中間報告では実験前の汚染濃度を示さないまま「確実に汚染物質を無害化できると実証された」とアピールしていた。
 同様に、ヒ素についても、実験対象の土壌の汚染濃度が元々基準値以下だったケースがあることも判明した。都は実験前のデータの公表を先送りし続け、都議会の一部会派から批判されてきた。実験前の汚染濃度が極端に低いことから、実験の有効性が疑問視されかねない事態だ。
 都は、豊洲の土壌汚染物質を除去できることを証明するため、今年1月から、高濃度の汚染物質が検出された16カ所で実験を開始。ベンゼン、シアン化合物、重金属などを微生物処理などで除去するとしていた。
 3月の中間報告では、6手法の実験のうち洗浄処理と加熱処理の2手法で、シアン化合物や重金属、ベンゼンを「環境基準値以下にできた」と公表した。都は実験結果の全データを、7月22日に開催する専門家による「技術会議」に提出し、評価を求めることにしている。【真野森作】


朝日新聞 2010年7月21日15時27分
築地市場移転先、盛り土も汚染 基準値の25倍の地点も
 築地市場(東京都中央区)が移転を予定している豊洲地区(江東区)の土壌汚染問題で、元の土壌だけでなく、その上に後から運び入れた盛り土からも30地点で汚染が見つかっていたことが分かった。盛り土の大半は汚染されていないとして、都はそのまま使う予定だが、汚染対策の専門家は「盛り土全体を調べる必要がある」と指摘している。
 移転の最大の障害となっている土壌汚染で新たな問題が浮上したことで、移転を不安視する市場関係者らの批判が高まることは必至だ。盛り土全体を調査することになれば、2014年度開場のスケジュールに影響が及ぶとともに、汚染対策費がさらに膨らむ可能性がある。
 問題の盛り土は、都内などの公共工事の残土が、東京ガスのガス工場跡地の古い地盤の上に運びこまれたもので、予定地約40ヘクタールの4分の3を覆っている。盛り土の厚さはおおむね2.5メートルで、朝日新聞の試算では約80万立方メートル。
 都は07年以降、古い地盤の土壌や地下水の調査を約4千地点で実施。汚染が見つかった地点では、汚染の種類ごとに約60〜700地点で古い地盤の上方50センチの盛り土も調べた。その結果、盛り土からも30地点で環境基準を超える有害物質が見つかった。最も高いところではシアンが環境基準の25倍、ヒ素が24倍、鉛が13倍に達した。この3地点は古い地盤の汚染より濃度が高かった。盛り土の表層部分では、詳しい調査が行われていない個所がまだ多いという。立川涼・愛媛県環境創造センター所長は、「放置すれば生態系に悪影響を及ぼす恐れもある」と話す。
 都が設置した有識者による専門家会議は08年、高濃度汚染が見つかった古い地盤の地盤面以下2メートルまでの土壌をすべて入れ替える汚染対策などをまとめたが、盛り土は会議の場で詳細な分析を行わないままになっていた。都は09年、盛り土を汚染のない「健全土」として新市場の土壌に利用する計画を公表した。
 取材に対し、都中央卸売市場は「(盛り土の)汚染原因は特定できないが、地下水上昇による再汚染の可能性が高いため、30地点ではさらに上も調べて汚染を除去する」と説明。一方で、盛り土の大半は「別の担当部署がチェックして適切な土を受け入れており、全体的には健全だ」としてそのまま使う方針だ。
 これに対し、専門家会議の座長を務めた平田健正・和歌山大理事は「再汚染だけでなく、都が受け入れた土に有害物質が元々含まれていたり古い地盤の汚染土壌が混ざったりした可能性があり、どこに汚染があるか分からず危険な状態だ」と指摘。「新市場に利用するのなら、その直前に盛り土全体を詳しく調べることが望ましい」と述べた。(香川直樹、渡辺志帆)
     ◇
 〈築地市場移転問題〉 築地市場は老朽化が進み、敷地も手狭になったことから、東京都は2001年に江東区豊洲地区の東京ガスのガス工場跡地に移転を決めた。ガス工場は1956〜88年にかけ操業。76年までは石炭から都市ガスを製造し、その過程で操業時の地盤面より下の土壌が汚染された可能性がある。同社は98年から07年にかけて汚染の調査や対策を実施。都が土地取得を進めたが、07年以降に都が実施した独自調査で汚染が発覚。都は汚染対策に586億円をかけ、14年度中に新市場を開場する方針だ。



「しんぶん赤旗」2010年7月21日(水)
築地市場移転予定地
「4万3000倍のベンゼン浄化」→実験したのは2.7倍
都がデータ隠し「安全宣言」
 東京都が築地市場(中央区)の移転予定地にしている東京ガス工場跡地(江東区豊洲)の汚染土壌処理実験で、都は環境基準の4万3000倍のベンゼン汚染土壌を「環境基準以下」に浄化したと発表していましたが、実験した土壌の汚染濃度(初期値)は基準の2・7倍にすぎなかったことが20日、明らかになりました。都はこの事実を隠して、事実上の「安全宣言」を行いましたが、今回判明した問題は都の実験の信頼性を覆すもので、厳しい批判があがっています。
 都は今年2月から6月にかけて16カ所で汚染物質の処理実験を実施。3月に発表した中間報告は、5カ所のデータの一部を公表しただけで肝心の汚染データの初期値は公表せず、「確実に汚染物質を無害化できることが実証された」と「安全宣言」を行いました。
 問題の地点は、2008年の都の詳細調査で環境基準の4万3000倍のベンゼンが検出された第6街区(水産仲売場予定地)。また08年調査で基準の3・4倍のヒ素が検出された6街区の別の地点では、初期値は基準を下回っていました。
 都中央卸売市場では「22日に開く技術会議でデータを示し説明する」としています。
 石原慎太郎知事は、実験のデータすらまともに公表しないまま3月都議会に市場の移転予算を提案。日本共産党などが反対しましたが、民主、自民、公明の3党が付帯決議つきで可決しました。
 この問題をめぐって、日本共産党都議団は4回にわたって公文書の開示請求を行いましたが、都が開示した文書は初期値をはじめ、ほとんどのデータを墨塗りで隠ぺいしていました。
「実験」の信頼性根底から崩れた
 日本共産党都議団・清水ひで子副幹事長の談話 わが党は都の実験の「中間報告」が発表された翌日の3月11日の都議会予算特別委員会で、都が初期値を隠していることを告発するなど、「適用実験」が欺まん的なものであることを一貫して告発してきました。
 今回一部のデータが明らかになったことで、実験の信頼性が根底から崩れたと言わざるを得ません。環境学会など幅広い専門家の参加のもとに、都民と都議会をあざむく都の汚染処理対策を根本的に検証することが必要です。


毎日新聞 2010年7月22日
築地市場:移転予定地の豊洲「土壌と地下水浄化に成功」
 東京都の築地市場(中央区)の移転予定地となっている江東区豊洲の土壌汚染について、都は22日、「現地で1月から半年間行った汚染除去実験で土壌と地下水の浄化に成功した」との結果をまとめた。この報告を受け、専門家で構成する都の「技術会議」(座長・原島文雄首都大学長)は「豊洲の汚染物質は除去可能」と評価した。ただ、都議会では築地での建て替え案も検討されており、移転か建て替えかの結論にはまだ時間がかかる。
 実験は、技術会議が09年に取りまとめた汚染対策技術の有効性確認のため実施。ガス製造工場があった移転予定地で検出されたベンゼン、ヒ素など7種類の汚染物質を対象に、微生物処理、洗浄処理など6手法を試した。都の報告は全実験で「環境基準値以下になった」とした。
 ただし、実験で使った土壌サンプルの汚染濃度が、過去の調査で検出された濃度を大きく下回っていたケースも多かった。都は「サンプルの採取方法が異なるためだが、環境基準値を超える土壌を使用したので実験は成立する」と説明。過去に基準の4万3000倍のベンゼンが出た地点では、基準の2.7倍の土壌しか採取できなかったため、20万倍の汚染土壌を人工的に作って実験したという。
 都は3月の中間報告で「2手法で汚染除去に成功した」とアピールしながら、土壌データはこの日まで公表してこなかった。このため都議会の野党会派を中心に実験を疑問視する見方もあり、今後、議論の的となりそうだ。【真野森作】


毎日新聞 2010年7月23日
築地市場移転:豊洲土壌汚染問題 都の汚染除去実験、結果に疑問の声も /東京
 「土壌の汚染物質は除去可能」。江東区豊洲の築地市場移転予定地で都が実施した汚染対策の実験結果。22日、専門家で構成する「技術会議」(座長・原島文雄首都大学長)のお墨付きも得て、都は豊洲移転への説得材料を増やしたが、移転反対派からは実験への疑問の声も上がっており、結果が受け入れられるかは不透明だ。
 岡田至・都中央卸売市場長は会議後の記者会見で「都議会で築地での再整備(建て替え)についても議論いただいている。それも課題。両方を並行的にやっていく形になる」と慎重な姿勢を示した。
 原島座長は「技術会議が提言した汚染物質処理技術の有効性を確認した。こうした技術を活用することで豊洲の汚染物質は除去可能と考えられる」と胸を張った。ただ、3月の都の中間報告の際に実験前の土壌の汚染データを公開しなかった点については「実験結果は全体を評価して意味が出てくるが、結果的に混乱する説明はまずかった」と語った。
 この日の技術会議は、元々同会議が推奨した土壌汚染対策の有効性を実験結果を通して確認するために開かれており、当初から厳しい意見が出ることはないと見られていた。実際に、都側の説明を追認する意見が多かった。
 会議を傍聴していた、実験に批判的な立場の坂巻幸雄・日本環境学会土壌汚染問題ワーキンググループ長は「現在チェックできていない汚染が残る可能性はあり、とても安全宣言が出せる段階とはいえない」と述べた。【真野森作、石川隆宣】
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 ■豊洲移転予定地の土壌汚染を巡る経過■
01年 1月 東京ガスが豊洲の工場跡地で環境基準の1500倍のベンゼンを検出と発表
    7月 都が「築地市場の工場跡地移転を東京ガスと合意」と発表
07年 5月 豊洲の土壌汚染対策を議論する都の「専門家会議」が初会合
    8月 専門家会議の決定に基づき土壌・地下水の追加調査を開始
   10月 追加調査で地下水から基準の1000倍のベンゼンなどを検出と判明
08年 2月 都が100平方メートルごと4122地点の汚染の詳細調査を開始
    5月 詳細調査で一部土壌から基準の4万3000倍のベンゼンなどを検出と判明
    7月 専門家会議が汚染対策をまとめた報告書を都へ提出
    8月 汚染対策技術を選定する専門家の「技術会議」を都が設置
09年 1月 都環境確保条例に基づき1034地点の土壌ボーリング調査を開始
    2月 技術会議が新技術を盛り込んだ汚染対策を都へ報告
    9月 土壌ボーリング調査で基準の1200倍のベンゼンなどを検出と発表
10年 1月 技術会議がまとめた汚染対策の汚染除去6手法の実証実験を開始
    3月 都が「2手法で汚染物質を無害化できた」と実験の中間報告
    7月 実証実験が終了。都が「実験で汚染除去に成功」と技術会議に報告


朝日新聞 2010年7月23日15時6分
築地市場移転、汚染試験守らせず 都、盛り土受け入れ時
 築地市場(東京都中央区)の移転先とされる豊洲地区(東京都江東区)の盛り土から汚染が見つかった問題で、別の建設工事で発生した土を都が盛り土用に受け入れる際、工事の請負業者が2千立方メートルごとに汚染の有無を調べるという条件を守らせていなかったことがわかった。生鮮市場予定地の土壌汚染に対する都のずさんな姿勢が明らかになった。
 東京都都市整備局は2002〜08年度、新市場予定地(約40ヘクタール)を含む豊洲地区(約90ヘクタール)の区画整理事業で、都や神奈川県の道路や河川、鉄道などの工事で出た土を受け入れ、高潮対策の盛り土をした。
 同局は土の受け入れ条件として、土壌汚染の有無を調べる試験の頻度を搬入量2千立方メートル以下で1回、2千立方メートルを超えるごとに1回と規定。工事の請負業者が土砂サンプルを専門機関に調べてもらい、汚染がないことを示す証明書を受け取って都に提出するというルールだった。
 ところが、同局は土量にかかわらず1工事あたり最低1回の頻度とする運用を続けた。この結果、請負業者が都に提出した計画書で搬入量が明記されていた132件のうち、50件余で試験頻度が基準を下回り、約10万立方メートルに1回の例もあった。
 同局は「都の基準の趣旨が現場の区画整理事務所に徹底されていなかった」と説明する一方で、「盛り土の汚染原因は分からないが、公共工事の発注者が土地利用履歴などから汚染の有無を調べ、きれいな土を選んでおり、汚染土壌の搬入のおそれはない」としている。
 盛り土に対する責任の所在もあいまいだ。東京ガスによると、1988〜92年ごろ、同社は都内のガス整圧所跡地から約43万立方メートルを豊洲の工場跡地に運んで仮置きした。土壌汚染の可能性はないと判断し、搬入時に試験をせず、その後も約6万立方メートルで6カ所の試験をしただけだという。同社は「仮置き土の大半は都に引き渡した認識だ」と話すが、同局は「引き継ぐか検討中」などとしている。
 NPO法人日本地質汚染審査機構理事長の楡井(にれい)久・茨城大名誉教授は「都のチェックはずさん極まりなく、命や健康を軽視する姿勢が明らかだ」と指摘した。(香川直樹、渡辺志帆

【2010.07.28 Wednesday 08:55】 author : 杉篁庵主人
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小手毬のゆったり揺るる花明かり


築地市場移転・豊洲土壌汚染問題についての記事ふたつ。


毎日新聞 2010年4月29日 東京朝刊
東京・築地市場移転:豊洲土壌汚染問題 ネイチャーが都に疑問符
 ◇除去実験「データ出して」
 東京・築地市場(中央区)の移転予定地となっている江東区豊洲の土壌汚染問題を巡り、英科学誌「ネイチャー」電子版が、東京都の対応に疑問を投げかける記事を掲載した。築地は世界一の魚市場として海外からの観光客にも人気があり、この問題に国際的な注目が集まりそうだ。
 記事は、都が豊洲で1月から続けている汚染除去実験を特集している。都が実験前の土壌の汚染濃度を公表しないまま、3月に「2種類の処理方法で無害化が可能と実証された」と中間発表したことを取り上げ、「実験が有効だったかを判断するのは不可能との声が都議会からも上がっている」と紹介した。
 筆者の同誌アジア太平洋特派員、デービッド・シラノスキーさんは「実証されたと主張するなら(実験前の)汚染濃度のデータを出すべきだ。世界の学者も興味を持つと思って記事を書いた」と話す。
 都の担当者は公表していない理由を「過去に調査した際の汚染濃度と実験前の汚染濃度が違ったため、都民にどう説明したら分かりやすいかを専門家に問い合わせているため。できるだけ早く公表したい」と話している。【真野森作】



日刊ゲンダイ2010年4月21日
石原都知事は新党ごっこの前に築地のウソを謝れ!
 新党「たちあがれ日本」の応援団にシャシャリ出た石原慎太郎都知事が相変わらず暴言を続けているが、都民にしてみれば「アンタの本業は東京都政だろう」と突っ込みたくなる。3月の都議会で最大のテーマだった「築地市場」問題はデッドロックだし、そうこうしている間に都の大ウソがバレたのだ。
 築地で大モメにモメた東京都議会は、予算成立と引き換えに、築地市場の「現在地再整備」を検討することを決めた。これを受けて東京都は16日、担当部署を新設した。しかし都側は、あくまでも豊洲への移転方針を変えていない。「営業しながらの再整備はムリ。工期と費用がかかりすぎる」という理由だ。つまり、築地の「再整備検討」は本気じゃないのだ。
 ところが、内外の有名建築物を設計した大家が、「現在地の再整備は可能」と太鼓判を押したのである。
 構造設計の第一人者で、幕張メッセや東京国際フォーラム、横浜港大さん橋国際客船ターミナルなどの設計で数々の賞も受けている(株)構造設計集団(SDG)の渡辺邦夫代表だ。渡辺氏は「築地再整備案を政治に全く関係なく2年前から構想してきました」という。
 SDG案は、現在の建物(水産部分)をそのままにして、20メートルの高さの巨大柱を何本も立て、その上に3層の構造物(人工地盤)をのせ、そこを新しい市場にするというもの。通常通り市場は営業を続けながら、上層部で工事が行われる。交通を妨げないよう、資材は海側に巨大なクレーン2機を設置して運ぶ。完成後に市場が上層部に移った後、古い市場部分は整備して公園やテナント街などにできる。完成模型は、まるで円盤か宇宙船のようで、新時代の市場のイメージだ。
「入り江の浚渫(しゅんせつ)工事に20億〜30億円。クレーン設置100億円。建設費1500億円。営業しながらの上層部工事ですから安全対策費に200億〜300億円。これに設計料を入れても、事業費は合計2000億円。工期は、設計コンペから開場までで約9年です。東京都の築地再整備の試算は、事業費3400億円、工期20年以上となっていますが、私たちの案であれば費用も期間もそんなにかかりません」(渡辺代表)
 先日も都が豊洲の汚染除去実験データを隠していることが明らかになったばかり。ますます豊洲の根拠はない。石原知事は新党ごっこをやっている場合ではないはずだ。(日刊ゲンダイ2010年4月21日掲載)
【2010.04.30 Friday 07:42】 author : 杉篁庵主人
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しっとりと春の筍手に重し


築地再整備に向けた動きが少しずつ報じられる。
豊洲移転計画を石原がなぜ強引に決めて行ったかの経緯も明らかになるだろうか。



毎日新聞 2010年4月22日 地方版
築地市場移転:参考人招致と他市場視察へ−−都議会特別委 /東京
 築地市場の移転問題を巡り、都議会の築地市場移転・再整備特別委員会は21日、理事会を開き、参考人招致と国内の他市場を視察することを決めた。同特別委では現在、築地での市場建て替え案(現在地再整備)の実現可能性を検討しており、議論の参考とするため。
 特別委によると、市場や流通の実態に詳しい学識経験者数人を5月17日に参考人として招致する予定。視察は、過去に同じ場所で再整備した大阪、札幌、福岡などの市場を6月以降に訪れる。
 この日は特別委の質疑もあった。
 柳ケ瀬裕文議員(民主)は「(90年代に築地で)中断された現在地再整備工事は、仮移転先があれば完成していたのでは」と質問。都側は「建設費や仮移転経費がかさむ」と説明した。
 伊藤興一議員(公明)は「豊洲新市場の計画は過大だとの声もある」と指摘。都は「利用者のニーズに対応した市場の強化が不可欠。他市場では機能を強化した後に取扱量が増加した」と説明した。【真野森作】
〔都内版〕



読売新聞 2010年4月22日
「築地」再整備専門チーム
民主、自民、公明議会局内に設置要請
 築地市場の移転計画を巡り、都議会の民主、自民、公明3会派は21日、田中良議長に対し、議会局内に築地市場の現在地再整備を検討するための専門チームを新設するよう要請した。
 築地市場の移転・再整備に関する特別委員会の検討作業を実務的に補佐する組織で、都庁内に新設された佐藤広副知事をトップとする「市場再整備検討チーム」と連携し、本格的な検討作業に臨む体制が整う。
 議会局はさらに、工法や環境評価などについて外部の有識者に諮ることを検討している。
 同特別委は21日、5月17日に学識経験者ら4人程度を参考人として招致することで各会派が合意した。
(2010年4月22日 読売新聞)



MSN産経ニュース 2010.4.21 19:28
過去の再整備計画中断の経緯質問 築地市場移転問題で特別委
 築地市場の移転問題で、東京都議会の特別委員会が21日開かれ、過去の現在地再整備計画が中断に至った経緯や当時浮上した課題などについて質疑が行われた。
 特別委では、民主都議が「昭和60年に仮移転先として国鉄・汐留用地の一時借用を検討しているが、汐留以外にも仮移転先を検討したのか」と質問。都側は、汐留用地の借用料が高額なために、市場業務を継続しながら再整備するのが妥当との結論になったことを説明。その上で、「都が仮移転先を検討したのは汐留のみ」と答弁した。
 一方、自民都議は現在地再整備計画に対する当時の市場関係者の懸念について質問した。都側は「工事中の交通混雑や電力の一時停止、断水などがかなりの回数あることで、営業に支障が出ることや、店舗の立地に格差が生じる可能性があるなどさまざまな問題が指摘された」と答えた。
 また、同日に開かれた同委員会の理事会で5月17日の特別委で専門家や学識経験者を呼び、意見を聴く方針を決めた。

【2010.04.24 Saturday 09:42】 author : 杉篁庵主人
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身を縮む肩に冷たき春の雪



冷たい雪。思いもよらない天候で出掛ける足が鈍った。

築地市場移転予定地の豊洲の汚染除去実験について。
その処理前のデータを示さずに処理後のデータのみを示して「環境基準以下になった」という、処理前の土壌データが公表されない。この状態について、「データを開示しないまま安全というのは科学の世界では想像もできないこと」(日本環境学会・土壌汚染問題ワーキンググループ長・坂巻幸雄)という批判は当然である。
むしろ、情報公開請求に対して非公開としたのは「環境基準以下になった」ということに説得性のない数字だったからだと思わざるを得ない。
どう辻褄合わせしようか思案しているのであろう。
汚染除去実験が24日に初めて一般公開されることになっているが、このとき説明がなされるであろうか。

こうした中で消極的にであろうと都は「現在地検討チーム」を作らざるを得なくなった。
昨日の記事の続き。


東京新聞 2010年4月17日
『築地』問題 都、現在地検討チーム 副知事トップに設置
 築地市場(中央区)の豊洲への移転問題で、都は十六日、現在地での市場の再整備を検討するチームを設置した。都が進める江東区豊洲地区への移転に慎重な都議会民主党が求めていた組織で、九人態勢。都は「検討の主体はあくまで議会。チームは協力、支援する立場」と位置付けている。
 移転関連費を含む予算案が焦点となった三月の都議会で、都と民主は一部で歩み寄り、都側は民主の質問に「議会で再整備を検討する場合には、都に組織を設ける」と答弁していた。
 チームのリーダーは佐藤広副知事。五人は兼務で、部長級は一人。政策立案などを所管する知事本局に、中央卸売市場や建設局など関係各局から集めた担当者を置いた。
 検討の結論を出す時期について、石原慎太郎知事は同日の定例会見で、豊洲で行っている土壌汚染対策の実証実験の結果が六月に分かるとして「並行して結論が出る状態が整わなければ、いたずらに足踏みすることになる」と早期の決着を求めた。
 チームの発足について都議会民主党の大沢昇幹事長は「公平公正にやってもらうことを期待する。議会としても現在地整備案をしっかり調査、検討する体制をつくりたい」と話した。



読売新聞 2010年4月14日
築地仲卸組合で30億負債、債務減額申し立て
 東京・築地市場の水産仲卸業者約750業者で作る最大団体「東京魚市場卸協同組合」(東京都中央区)が、組合員への融資が焦げ付くなどして負債が約30億円に達し、金融機関側に債務の減額などを求める特定調停を東京地裁に申し立てていたことがわかった。
 築地市場は、江東区豊洲地区への移転計画が、都議会第1党の民主党などの反発で事実上一時停止する事態となっており、最大組合の苦境が移転論議に影響を与える可能性もある。
 同組合によると、不況の影響で水産物の取扱量が減少し、経営難に陥る組合員が増えた。約20年間に3割の業者が廃業し、融資の焦げ付きが多額に上ったことから、6日に臨時理事会を開き、特定調停を申し立てることを決めた。申し立ては7日付で、今後、裁判所側の仲介を受けて債権者側と債務の減額交渉に入る。
 築地市場の移転計画を巡っては、「現在地の再整備が可能か検討するべきだ」などと反発する都議会民主党などの意向を受け、計画が事実上凍結状態になっている。このため、都側は知事本局内に現在地再整備の検討組織を新設することを決めるなど、事態打開を模索している。
 同組合では、市場関係6団体の中で、移転について唯一内部で賛否が割れており、移転を容認する執行部側と、現在地での再整備を求めて市民団体を結成するなどしている反対派との間で対立が続いている。
 ◆特定調停=返済の困難な債務者と債権者の間に裁判所が入り、債務減免や返済方法などについて交渉する制度。事業を継続しながら経営再建が進められる利点がある。2000年に施行された特定調停法に定められている。
(2010年4月14日14時38分 読売新聞)
【2010.04.17 Saturday 09:04】 author : 杉篁庵主人
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花の世をささめく雨のつつみける



舛添は「がん細胞」で早く除去すべきだという自民党内部から批判があるという。
「がん細胞」というなら、自民党内部に他にもっと悪質なものがいろいろいる。これを取り除けないでいるのが今の自民党衰弱・凋落の因であることは誰もがわかっているのであろうに、自身では手術の決心がつかない。がん細胞を除去したら「自民」ではなくなってしまうと考えているのだろう。これも末期の証拠であろう。

さて、築地移転問題。現地再整備に動き出せるのだろうか。


読売新聞
築地市場の現在地再整備を検討、都が新組織
 都は13日、築地市場の現在地再整備を検討するための組織を16日にも新設することを決めた。部長級職員をトップとする10人規模の組織で、部局横断的な対応が必要なため、重要施策の企画・立案などを担う知事本局内に設けられる。
 都は、築地市場の江東区豊洲地区への移転計画を進めてきたが、「強引な移転に反対」の立場を掲げる民主党などと対立。先月閉会した都議会では、民主が同地区の用地取得費を削除した中央卸売市場会計予算の修正案を提出する方針を決めたため、都側が「知事部局内に検討組織を設ける」などとした譲歩案を提示していた。今回の新組織設置はこれを受けた措置。
■都議会民主がアイデア公募
 築地市場の現在地での再整備検討を求めている都議会民主党は13日、再整備へのアイデアを公募すると発表した。有力な案は都議会に提案し、議論するという。
 築地市場は開場から75年が経過し、老朽化が目立つことから、都は江東区豊洲地区への移転を進めてきたが、民主は先月閉会した都議会で、「現在地再整備も検討すべき」として移転計画に「待った」をかけた。今後、都と都議会が、現在地再整備が可能かどうか検討を進める。
 アイデアは図面のほか、文章やイラストも可能。電子メール、郵送でも受け付ける。詳細は都議会民主党のホームページ(HP)からリンクされる専用のHPに掲載されている。締め切りは5月16日。問い合わせは事務局(03・5320・7230)へ。
(2010年4月14日 読売新聞)



【共同通信】
都が汚染処理のデータ非開示 築地市場移転先
 築地市場の移転予定地になっている豊洲地区(東京都江東区)の土壌汚染問題で、都が無害化できる根拠とした処理実験に用いたデータの一部を、情報公開請求しても非公開としていることが15日、分かった。共産党都議団が明らかにした。
 請求に基づき公開した資料は、採取した土壌に含まれるベンゼン、シアン、ヒ素濃度の数値を黒塗りにした一方で、洗浄や加熱実験をした後の数値は公開。都は「過去の調査と比べて数値にばらつきがあり、専門家に分析を依頼しているため」と説明している。
 都は2008年5月、豊洲地区の土壌の一部から、環境基準の約4万3千倍のベンゼンなどが検出されたと公表。その後、土壌の入れ替えや洗浄などの処理策を検討し、今年3月、委託した業者がまとめた処理実験の中間報告書を基に「確実に無害化できる」としていた。非開示としたのは、この報告書の数値で、担当者は専門家の判断がまとまれば数値を明らかにしたいとしている。2010/04/15 19:33 【共同通信】


【2010.04.16 Friday 09:45】 author : 杉篁庵主人
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ひそやかにひとのゐぬよる桜ちる



都議会で築地再整備に向けての議論が始まった。
石原はもう豊洲移転は諦めたのだろう。参院選に出るつもりが、辞めるきっかけを失っていらだっているのがよくわかる昨日の記者会見だった。


毎日新聞 2010年4月10日 地方版
築地市場移転:再整備検討、特別委スタート−−都議会 /東京
 築地市場移転問題を巡り、都議会の築地市場移転・再整備特別委員会が9日開かれ、現在地再整備の検討がスタートした。再整備の検討は、江東区豊洲の市場移転予定地購入費を含む10年度予算案に賛成するに際し、民主党が知事側と自民・公明両党に受け入れさせた条件。今後、再整備と移転のどちらが合理的かを調査、議論する。
 この日は、都の市場担当者が91〜96年に実施された築地市場の建て替え(再整備)工事について説明した。営業しながらの工事だったため、(1)不便を強いられた市場関係業者の不満が増大(2)工期の遅れと費用増加−−などが原因で本格着手前に工事が中断し、移転へと転じた経緯を述べた。
 次回の特別委は21日を予定。一部の委員からは、委員会内にプロジェクトチームを設けて他府県の市場を視察するといった案も出ており、今後の進め方を議論する。【真野森作】
〔都内版〕

【2010.04.11 Sunday 09:00】 author : 杉篁庵主人
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海棠の綻べる朝優しかり


  足停めて見上ぐ人あり朝桜


築地再整備の再検討と、豊洲東京ガス工場跡地を購入するにあたっては議会の合意を必要とする、ということはつまり、移転に向けた動きをとりあえずは止めれるということのようでもある。
築地市場移転の都議会の様子を伝える記事が毎日にある。

毎日新聞 2010年3月30日 地方版
築地市場移転:議会審議・記者座談会(その1) 決裂寸前、譲歩案 /東京
 ◇都、現在地再整備検討へ
 ◇民主、責任論に不安抱きつつ
 民主党が予算修正案提出を見送ることで決着した築地市場(中央区)の移転問題を巡る都議会審議。修正案は、江東区豊洲地区の移転先用地の購入費を削除する内容で、可決されれば移転計画の中断は避けられない見通しだったが、石原慎太郎知事が一定の譲歩を示したことで議会への提出は回避された。民主党が修正案提出の可能性を示唆し始めて以降、都議会を舞台にどんな駆け引きが行われてきたのか。現場を取材した都庁担当記者3人が振り返った。

 A 民主党には、現在地再整備の検討に前向きな知事答弁を引き出したことに対する満足感が広がっている。
 B 一方で、民主党は修正案を提出し、最後まで石原知事と対決すべきだったのでは、という意見もあるのでは。
 A 確かにそういう側面はあるかもしれない。ただ、修正案が都議会を通過してしまうと、移転がストップするだけでなく、都側との交渉も行き詰まり、民主党が目指した現在地再整備検討の余地まで消えてしまう。結果的に民主党の責任論に発展するのではないか、という不安もあった。
 B 大事なことは、都の移転方針が変わったわけではないということだ。「移転の方向性は変わらないが、再整備の声も大きいから聞いておこう」というのはわかりにくい。これで正面から再整備案を検討することになるのか疑問だ。
 A その点は、共産党が予算特別委の最後の質疑で指摘していた。
 C 「過去に400億円をかけて工事を進めながら、途中で頓挫した」などと現在地再整備の再検討を強く否定していた石原知事が、最後になって、再整備の検討に踏み込んだ答弁をしたのは率直に言って驚きだった。都側と民主党の水面下の交渉で行き着いた、大きな転換だったことは間違いない。
 B 修正案提出をほのめかす民主党に対し、まず、都が自民党を通じて「何とか原案を通してほしい」とアプローチした。
 A 「原案が否決されたら、知事は辞任して、選挙で信を問うかもしれない」。そんな憶測も流れた。「知事選になれば石原知事が再選され、参院選を前に民主党にとって大きな痛手になる」。憶測の背景に都側の戦略があったとすれば、“脅し”の効果も見据えたものだった可能性も否めない。
 B それでも民主党は闘う姿勢を見せていた。都の意向を背景に民主党と交渉した自民党が、初めて柔軟な態度に出たのは15日、予算特別委の質問だった。現在地再整備の検討にも理解を示すなど、明らかにそれまでとトーンが違った。「自民党は歩み寄ってもいい」というメッセージだった。

築地市場移転:議会審議・記者座談会(その2止) 交渉、30時間超す /東京
 ◇民主、予算修正案提出見送り
 ◇知事、「信問う」憶測も
 A 交渉を指揮したのは、民主党側が田中良団長(議長)、自民党側は前回の都議選で落選した内田茂、高島直樹両氏。実務交渉役は民主党が増子博樹、西岡真一郎両議員、自民党は高木啓、宇田川聡史両議員。佐藤広副知事と村山寛司財務局長が同席し、公明党も加わった。実務交渉は、常に都側が譲歩案を提示し、民主党が持ち帰って検討する、という形で繰り返された。計30時間超に及んだようだ。民主党の最後の決定権は大沢昇幹事長に一任されていた。
 B 気になったのは、この交渉で自民党の現役三役の存在感が薄かったことだ。もっとリーダーシップをみせても良かった。
 C 交渉が難航したのはなぜなのか。
 A マニフェストに掲げた約束を守るため、民主党は修正案を引っ込める条件として最後まで、「当局が主体的に現在地再整備を検討する」というハードルを下げなかった。都にとってなかなか飲めない条件で、交渉は何度も決裂しかけては仕切り直しになった。土壇場の27日未明、「ついに修正案提出か」という局面で、都側がぎりぎりの譲歩案を出した。「都が現在地再整備の検討組織を作る」というものだった。
 C そういえば、こんな場面もあった。27日、予算特別委採決前日の総括質疑で、民主党が石原知事から譲歩を引き出した直後、共産党の質問に、岡田至中央卸売市場長が「豊洲への移転がもっとも最適な方向」などと答弁。それに対し、民主党の大沢幹事長は拳を机にたたきつけて激怒した。
 A せっかくこぎつけた妥協をぶちこわしにするような答弁だと受け取られた。若手も含め、「民主党への知事答弁を否定するのか」と怒りが広がった。
 C 石原知事自ら、陳謝する事態になった。
 A ただ、実はあの一件で収穫もあった。石原知事は、民主党への答弁では、「現在地再整備検討の組織も設けていく必要もあると思います」としていたが、陳謝の場面で「現在地再整備検討の組織を設けていきます」と断言した。
 B 今後は、民主党を中心に都議会が出す再整備案を、都が検討することになるだろう。つまり民主党には早期に再整備案を出さなければならないというプレッシャーがかかる。自民党と公明党は、推移を見守るということだろう。
 A 都議選で「強引な移転にNO」というマニフェストを掲げて大躍進したのだから、都民の意思として尊重しなければならないのは大原則だ。


【2010.03.31 Wednesday 11:00】 author : 杉篁庵主人
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春寒や桃開かんとして閉づる


花がみなこの寒さに戸惑っている。
戸惑うのは花だけでなく世の動きもはっきりしない。
豊洲への移転予算に関連した都議会のこのところの動きを見ておく。


毎日新聞 2010年3月26日 21時59分(最終更新 3月26日 23時10分)
築地市場:移転予算削減めぐり特別委質疑延期 東京都議会
 築地市場(東京都中央区)の江東区豊洲地区への移転問題で、東京都議会は26日、都の予算案から移転用地購入費を削除した修正案の提出を表明している民主党と都側の間で折衝が続き、予定されていた予算特別委員会の質疑は27日に延期となった。予算特別委の質疑は、2日にわたる空転となった。
 付帯決議付きの原案賛成を打診する都側に対し、民主党は「都が主体的に現在地再整備を検討する」との内容を盛り込むことを要求し調整が続いている。
 石原慎太郎都知事は記者会見で「『数が通れば道理が引っ込む』というのでは、正常な議会運営とは言えない」と民主党を批判。再整備の検討については「やぶさかでないが、今までやってきたことだ」と語った。受け入れの可能性を問われると「政治は一寸先は闇だ」と述べるにとどまった。民主党の大沢昇幹事長は「そろそろ(都への)おつきあいにもけじめを付けなくてはいけない」と都側との折衝に見切りをつける考えを示した。【市川明代、江畑佳明】


毎日新聞 2010年3月27日 15時00分(最終更新 3月27日 16時19分)
築地移転:予算可決へ 民主が修正案見送り
 築地市場(東京都中央区)の江東区豊洲地区への移転問題で、都議会民主党は27日、都の予算案から移転用地購入費を削除した修正案の提出を見送る方針を固めた。市場の現在地再整備と移転を比較検討するとの都側の妥協案を受け入れた。修正案提出の見送りで、市場移転に関する予算は付帯決議付きで都の原案通りに可決する見通しとなった。
 予算案が原案で可決されれば、築地市場移転計画はとりあえず中断に追い込まれる事態は回避される。ただ、移転用地の購入に際して議会の意思を尊重するとの案も都側から民主党に示されている模様で、移転の是非を巡っては、今後も論議の余地が残されそうだ。
 昨年7月の都議選のマニフェストで「強引な移転に反対」を掲げ、現在地再整備の再検討を求めている民主党は、24日に予算案に対する修正案の提出を表明。それまで現在地再整備の再検討に応じていなかった都は、知事与党の自民党を通じ、民主党との水面下の折衝を始めた。都側が示した複数の譲歩案を巡り駆け引きが続いていたが、27日になって妥協点がほぼ固まった。都の原案は新年度市場会計予算案に豊洲の用地購入費1260億円を盛り込んでいる。27日午後に予算特別委員会の質疑を行い、30日に本会議採決が行われる予定だ。【市川明代、江畑佳明、真野森作】


毎日新聞 2010年3月29日 東京朝刊
東京・築地市場移転:予算、あす成立
 築地市場(東京都中央区)の移転問題で、東京都議会予算特別委員会は28日未明、江東区豊洲地区の移転予定地の用地購入費1260億円など移転関連費用を盛り込んだ10年度予算案を民主党、自民党、公明党の賛成で可決した。30日の本会議で可決・成立する。
 予算案には民主、自民、公明の3党が提案した付帯決議が付けられた。柱は(1)議会で現在地再整備の可能性について市場事業者の合意形成を検討し知事は検討結果を尊重する(2)移転予定地の土壌汚染対策を検証し安全な状態での開場を可能にする(3)知事は市場整備が直面している状況を打開する方策を検討する−−の3点。用地購入費削除の修正案提出を見送った民主党に、自民、公明両党が譲歩する形で提示した。用地購入費削除が回避されたことについて、石原慎太郎知事は「今のままでは築地はもちませんから。いい結果になって良かった」と話した。【市川明代】



日経 2010/3/28 22:19
都議会委、築地移転予算案を可決 移転計画の行方、依然不透明
 東京都議会予算特別委員会は28日、築地市場(中央区)を豊洲地区(江東区)に移転させる費用を盛り込んだ来年度予算案を賛成多数で可決した。未明に及んだ議論は民主などが推す築地再整備の道をなお残す玉虫色の政治決着で、移転に慎重な意見に配慮した。ただ「築地か豊洲か」の根本的な議論の再燃は不可避で、移転計画の行方は依然不透明だ。
 「よかった。ほとんど原案通りで安心しました」。可決を見届けた石原慎太郎知事は報道陣に笑顔で話した。年度内の予算案不成立という最悪の事態を回避したためだ。
 築地再整備の検討を拒む都に対し、最大会派の民主党は24日、移転予定地の取得費を削除した修正案提出を決定。しかし知事は審議のやり直しを求める「再議」を示唆、けん制し合う状態に。ただ再議となると、都の原案も修正案も廃案となり、都立全市場が機能マヒに陥る恐れまであった。
 水面下で協議が続き、25〜26日の特別委は空転。27日の段階になって▽議会が一定期間内にまとめる現在地再整備の検討結果を知事は尊重する▽(豊洲の)土壌汚染対策の実験結果を継続的にオープンな形で科学的に検証する――など双方の面目を保つ付帯決議を付けることでぎりぎり合意した。
 民主幹部は「修正案と同等の意味合いを持つ付帯決議となった」と評価するものの、「豊洲移転が基本」という都の姿勢が変わったわけではない。予算案が可決したとはいえ、老朽化する現在の施設を前に、思い描く新市場の立地場所が違うという根本的な溝は埋まらないまま。
 移転推進派の市場関係者は「不況や高齢で撤退する同業者が少なくない。いたずらに時間が経過することは避け、移転か再整備の結論を一刻も早く出してほしい」と一進一退の議論に不満をあらわにした。

【2010.03.30 Tuesday 10:00】 author : 杉篁庵主人
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遠きより重なる便り初桜


東京、横浜でソメイヨシノが開花したと報じられている。
1週間〜10日程度で満開になるという。
庭に出てみると、雪柳が満開を過ぎ、木瓜が七部咲きになり、枝垂れ桃が一輪咲き、海棠の蕾が膨らんでいる。
日々春が進んでいく。
土佐ミズキも満開(写真)。


築地市場をめぐる状況をまとめた記事があった。
時事通信 - ‎2010年3月21日‎
築地市場移転に黄信号=新用地取得費、削除の公算−マニフェスト盾に民主が反対
 東京都の築地市場(中央区)移転計画に黄信号が点滅している。都議会最大会派の民主党が、来年度の都予算案から豊洲新市場予定地(江東区)の用地取得費を削除する方針を固めたためだ。石原慎太郎知事は、築地は古く手狭だとして早期移転を訴えるが、移転反対をマニフェスト(政権公約)に掲げ、昨夏の都議選で躍進した同党は一歩も引かない構えだ。
 「都は慎重を期して(市場用地の)安全を確認すべきだったのに、責任ある対応を取ってこなかった」−。18日の都議会経済・港湾委員会で民主都議は、都が地権者との土地開発合意前に現地の汚染実態を十分確認しなかった点を批判した。
 豊洲新市場予定地は東京ガスの工場跡で、広さは築地の約23ヘクタールに対し約40ヘクタール。都は2001年に移転を決めたが、08年に環境基準の4万3000倍となるベンゼンなどの土壌汚染が見つかり、都民に不安が広がった。
 それでも都は、総額586億円に上る土壌対策工事の計画をまとめるなど移転にこだわってきた。築地市場はわずかな地震の揺れで屋根の一部が崩落するなど、老朽化が限界に達しているとみているためだ。都は10年度中央卸売市場会計当初予算案に、未購入分の新市場予定地取得費1260億円を含む移転推進費を計上。今月初旬、対策工事の事前実験で「汚染物質を無害化できることが実証された」とする中間報告を行った。
 一方民主サイドは、汚染の不安に加え築地の食文化維持を理由に、現地再整備を強く主張する。現地再整備は20年ほど前、仮移転地が確保できない中で試みられたが、業務への支障が大きく頓挫した経緯がある。しかし民主側は、築地に近接し、都が開催を目指した16年夏季五輪でメーンスタジアム建設を計画していた晴海の都有地を今回は仮移転地に使える、と指摘する。
 都議会の定数は127。昨夏の都議選で34議席から54議席に躍進、現在は53議席を擁する都議会民主党の大沢昇幹事長は15日、移転推進費から少なくとも用地取得費を削った修正案を、他会派に示す意向を表明。8議席の共産党や3議席の生活者ネットワーク・みらいも同調する姿勢を示している。このままいけば多数で修正案が可決され、移転計画は事実上、足踏み状態になる。
 「(民主党が)マニフェストに掲げたというのは党利党略でしかない。あくまで都民の利益、都民の立場、現場の方たちの立場を考えた上での議論が尽くされるべきだ」−。石原知事は19日の記者会見で、民主党の修正案提出表明に強い不快感を示した。都としては、用地取得費が今回削られても築地移転はあきらめず、6月議会などへの関係予算案再提出を目指す考え。
 知事与党の自民、公明両党は、市場関係者の合意を予算執行の前提とする条件付き成立も視野に、最後まで民主党に当局案賛成を働き掛けることにしている。予算特別委員会の採決予定日の26日に向け、ぎりぎりの駆け引きが続きそうだ。(2010/03/21-14:35)
【2010.03.23 Tuesday 09:32】 author : 杉篁庵主人
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