「さんこうあんにちじょう」は、HP「杉篁庵」(sankouan)の1頁です。
主にその日の庭の花の写真を掲載しています。
 
紫木蓮

紫木蓮恋恋未練花暖簾 杉竹
やがて咲く時待ちて紫木蓮 杉竹
紫の木蓮の花ほころびてほのに見ゆるやふれる衣手 横雲
たそがれの花びら厚い紫木蓮あなたは遠く静かに生きて やゑ

 

木蓮 は、モクレン目モクレン科モクレン属の落葉低木。花が紫色であることから、シモクレン(紫木蓮)の名もある。木蓮華(モクレンゲ)と呼ばれることもある。昔は「木蘭(もくらん)」と呼ばれていたこともある。白炎のような花を咲かせる白木蓮と、外側が紫、内側が白色の紫木蓮があり、紫木蓮の方が開花時期が少し遅い。

 

 戒名は真砂女でよろし紫木蓮 鈴木真砂女
 曇りゐて花びら重し紫木蓮 上村占魚
 紫木蓮夕べの水の色吸へり 原田青児

 

【2018.03.23 Friday 09:18】 author : 杉篁庵主人
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辛夷(こぶし)

街なかに辛夷を辿る散歩かな 杉竹
曇る空よりひとひらの辛夷散る 杉竹
かねの音の遠くきこゆる春の宵白き辛夷の影ほのかなり 横雲
甦る声の響きにひとひらの辛夷が散って遠い思い出 やゑ

 

モクレン科の落葉高木で日本固有の花木。葉が出る前に、六弁の白い花を枝先につける。莟の形が赤子のこぶしを連想させるのでこぶしと名づけられた。これが咲けば「春」ということになり、昔の人は田圃を耕したり種を蒔いたりしたので。「田打桜・種蒔桜」の名がある。

 

 見はるかす山腹なだり咲きてゐる辛夷の花はほのかなるかも 齋藤茂吉
 町中の辛夷の見ゆる二階かな 鈴木花蓑
 一弁のはらりと解けし辛夷かな 富安風生
 花辛夷人なつかしく咲きにけり 松本たかし

【2018.03.22 Thursday 06:14】 author : 杉篁庵主人
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桜咲く

桜咲きそむや七十五年経し 杉竹
行く人も来る人もなく桜咲く 杉竹
年ごとを契れる花の咲き初むも面影つらき夢の浮橋 横雲
再会を君と誓った公園の桜は今年誰と見るのか やゑ

 

開花宣言があって隣の桜を見てみたがまだ蕾は堅かった。
今年は早いという報道もあって、近くの寺に行ってみるとはや満開に近いと思うほどに咲いていた。

 

 いま桜咲きぬと見えてうすぐもり春に霞める世のけしきかな 式子内親王
 さまざまの事思ひ出すさくらかな 芭蕉
 初花に命七十五年ほど 芭蕉
 ゆく處なく桜咲く下にゐる 津田清子
 今は今の心にまかせ桜咲く 田中玉江

 

【2018.03.21 Wednesday 07:08】 author : 杉篁庵主人
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柊南天

いとほしや 柊南天黄の優し 杉竹
柊南天咲きて人居ぬ庵の朝 杉竹
こぬよひを待つもはかなし小糠雨濡れて柊南天の花 横雲
ひっそりと待っても来ない人待って黄色い小花柊南天 やゑ

 

ヒイラギナンテンは、メギ科の常緑低木。葉がヒイラギの葉に似ていてメギ科のナンテンの仲間であることから名がつけらた。花は柊には似ていない。
花が春の季語になると思うが歳時記にはとられていない。中国・台湾原産で、江戸時代に渡来。開花時期は3月〜4月、黄色の小花を総状につける。
花のあとでぶどう色の実をつける。別名「唐南天・マホニア」。

 

 例句見つからず。

【2018.03.20 Tuesday 06:57】 author : 杉篁庵主人
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彼岸

花列車彼岸の風をぬくくして 杉竹
なにとなく肩に残れり彼岸冷え 杉竹
菜の花を分けて彼岸の花列車沈みゆく日は紅に燃ゆ 横雲
お彼岸のまだ温かい牡丹餅は大中小と不揃いのまま やゑ

 

俳句では「彼岸」と言えば、春の彼岸を指し、秋分の方は「秋彼岸」と言う。
春分と秋分を中日として、前後3日を合わせた7日間が彼岸になる。この期間に行う仏事が彼岸会(ひがんえ)。
関連季語に「彼岸前・彼岸入り・初手(そて)彼岸・中日・送り彼岸・彼岸払い・彼岸過」「彼岸詣・彼岸参り・彼岸会・讃仏会・彼岸団子・彼岸餅」がある。彼岸の供え物の「ぼたもち(牡丹餅)」と「おはぎ(御萩)」はこの春と秋を区別した呼称という説がある。
なお、「墓参り」は季語としてはお盆に墓参りすをることをさす(秋の季語)。

 

 信濃路は雪間を彼岸参りかな 横井也有
 彼岸入りわが影とある杖の影 佐藤母杖
 彼岸会の供華を無縁の仏にも 粕谷容子

 

【2018.03.19 Monday 05:57】 author : 杉篁庵主人
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雪柳

雪柳数ふるほどに咲き出でて 杉竹
日を重ね白を重ねて雪柳 杉竹
哀しみの噴きこぼるるや雪やなぎ咲き満つほどに春をしるなる 横雲
耐えられず逢えないままに雪柳嘆きの色に咲き満ちていく やゑ

 

バラ科の落葉低木。茎は基部から分枝し,葉は互生し,線状披針形。3〜4月ごろ小さな白い五弁花を小枝の節ごとにつける。雪が積もったように見えることからこの名があるがその美しさから庭や街路などに植えられる。「小米花・小米桜・こめやなぎ・えくぼ花・噴雪花」などの別名がある。「小米」は散った花びらの様からの名であろう。

 

 あたたかき試歩をとどむる雪柳 日野草城
 一筋や走り咲きたる小米花 鈴木花蓑
 さかしまな痴情と思ふ雪柳 荻原久美子

 

【2018.03.18 Sunday 06:39】 author : 杉篁庵主人
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花韮

花韮の揃ひて風に頷けり 杉竹
花韮や遥かの空の色かすか 杉竹
秘められし想ひの色や花韮の薄紫を下染めにする 横雲
花韮ははかない恋の色染ませ逢えないままに萎れるばかり やゑ

 

ハナニラは、ユリ科・ハナニラ属(トリスタグマ属)の多年草。アルゼンチン原産。観賞用に栽培。ニラに似た臭気がある。春,高さ約15センチメートルの花茎に径約3センチメートルの星形に平開する淡青色の六弁花を頂生する。ブロディア。 [季] 春。
何処にでも繁茂していると思うが、歳時記・季語集の春の部に「花韮」が見当たらない。夏の部に「韮の花」があるがこれはニラの花で別物。「花韮」を歌う句も「ニラの花」だったりする。「韮」は、ユリ科・ネギ属の多年草。八月頃、三十センチ程の茎の頂点に、白い小花を球状につける。

 

 花韮に止るは小さき蝶ばかり 坊城中子
 花韮に紫の影ひそみけり 稲岡達子
 花韮の紫うすき翳りかな 岸典子

【2018.03.17 Saturday 07:06】 author : 杉篁庵主人
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喇叭水仙

一本が大きく伸びて喇叭水仙 杉竹
喇叭水仙風と仲良き黄の光 杉竹
人声に揺れゐる喇叭水仙の香を探りつつ頬に触れむや 横雲
呼ぶように喇叭水仙顔上げてあしたの君に微笑みかける やゑ

 

ラッパ水仙は、スイセンの一種でヨーロッパ原産。明治末年に渡来。花はスイセンのうちでは大きく、花期は三月から四月にかけて。花の色は黄色または白。副冠がラッパ状になるのでこの名がある。仲春の季語。「黄水仙」も春の季語。
「水仙・水仙花・野水仙」と言う場合は冬の季語。

 

 喇叭水仙のぞくものではありません 川崎展宏
 両隣喇叭水仙咲き揃ふ 熊倉猷
 喇叭水仙希臘の壷に挿し剰り 草間時彦

【2018.03.16 Friday 07:16】 author : 杉篁庵主人
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ヒヤシンス

けふこの日そっと顔出すヒヤシンス 杉竹
遠き影仄かに呼ぶか風信子 杉竹
たが袖とわかねど風に夜香蘭老のね覚の名残りさびしく 横雲
逢える日を知らせる便りが届くかとヒヤシンスが咲きはじめている やゑ

 

ヒヤシンス「風信子・飛信子・夜香蘭・錦百合」
ヒアシンス属の球根性多年草。花の色は青、ピンク、赤など。
植物としてはヒアシンスの表記が標準的のようだが、俳句では「ヒヤシンス」と記されるのが一般のようだ。

 

 大地より噴きてむらさきヒヤシンス 斎藤道子
 遺失物係の窓のヒヤシンス 夏井いつき
 淡き香は風のおとづれ風信子(ふうしんし)  文挟夫佐恵

 

【2018.03.15 Thursday 06:52】 author : 杉篁庵主人
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蔓日々草 

うららけし蔓日々草の咲そむる 杉竹
逢はむ日はいつになるのか蔓桔梗 杉竹
ひそと蔓日々草の咲く庭に渡る春日のなが影を追ふ 横雲
待つうちに気付けば隅に蔓桔梗一輪咲いて春が横切る やゑ

 

ツルニチニチソウは、春から夏にかけて清楚な青紫色の花を咲かせる常緑性つる植物。開花時期は3月〜5月。繁殖力旺盛で、半日陰でもよく育ち群生する。斑入り葉の品種が、鉢植えで好まれる。「ビンカ」「蔓桔梗」とも呼ばれる。
「日々草」は暑さなどものともせずに咲く夏の花の印象であるが、こちらは春の花の感が強い。しかし、季語にはなっていない。

 

【2018.03.14 Wednesday 09:47】 author : 杉篁庵主人
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